【中日】ドラ1大阪桐蔭・根尾、目標はイチロー「超一流に絶対になる」

スポーツ報知
中日のユニホームを着て、与田監督のボードを掲げる大阪桐蔭・根尾(カメラ・義村 治子)

◆プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(25日・グランドプリンスホテル新高輪)

 今年のドラフトは、西武を除く11球団が高校生野手を1位入札した。大阪桐蔭・根尾昂内野手(18)は4球団から1位指名を受け、中日が交渉権を獲得。ロッテ1位の藤原恭大外野手(18)には3球団が競合した。横川凱(かい)投手(18)は巨人4位、柿木蓮投手(18)は日本ハム5位で、高校では2001年の日大三高以来となる4選手が同校から指名された。

 赤い糸で結ばれていたのかもしれない。無数のフラッシュを浴び、根尾の希望に満ちた目がひときわ輝いた。4球団競合の末、交渉権を獲得したのは、地元に本拠地が近い中日。「予感はなかったです。でも、ご縁があって(クジを)引いていただいた。なんとしても、力になれるようにしたい」。ミレニアム世代の一番星は、与田新監督がガッツポーズした瞬間、真一文字に結んだ口元を緩めた。

 岐阜・飛騨市の出身で、幼少時は竜党だった。「テレビをつければ、中日が試合をしていた。思い入れがある」。ナゴヤドームには何度も通った。「買ったのか、覚えていないです」と笑ったが、実家には福留や荒木ら主力選手のグッズが残っている。小学6年時には東海地方の有力な少年が集まる「中日ドラゴンズジュニア」に選抜された。井端モデルのグラブも愛用した。十数年の時を経て再び、運命に導かれた。

 投げては自己最速150キロ、打っても高校通算32発と異彩を放ち、甲子園春夏連覇に貢献。注目の二刀流について、与田監督は「本人が一番やりたいことが望ましい。本人の意志がそうなら、チームとしてバックアップしたい」と容認の姿勢を示した。根尾自身は遊撃に対するこだわりを持ち、「話し合って決めたい」と慎重に言葉を選んだが、夢は無限大に広がる。

 「プロの世界で超一流になりたい。まだまだですが、絶対になってやろうと思います」

 金の卵はテレビカメラ25台超、報道陣約200人が見守る中、力強く宣言した。目標は「別次元の選手」という米大リーグ、マリナーズのイチロー会長付特別補佐(45)だ。中学時代にスキーのスローラムで全国優勝し、大阪桐蔭高での学業成績も優秀な大器が、イチローの生まれ育った名古屋でスター街道を歩み始める。(小松 真也)

 ◆大阪桐蔭の3人と「これからはライバル」根尾に聞く

 ―中日に決まった瞬間。

 「どの球団に行くことになるのか、分からなかった。(指名されて)ホッとしています」

 ―大阪桐蔭から4人。

 「これからはライバル。プロでレベルアップできるようにしたい」

 ―引退した荒木氏が憧れ。

 「守備や走塁だったり、経験が違う。自分はまだまだ」

 ―遊撃には新人王を獲得した京田がいる。

 「学ぶ点は多い。(京田選手は)信頼を得て、遊撃に就いている。そういうところを盗みたい」

 ―目標に掲げる超一流で思い浮かぶ選手は?

 「イチロー選手。(09年の)WBCの決勝戦のタイムリーをテレビで見ていた。レベルが違った」

 ―将来的な日本代表入りへの意欲は?

 「実力をつけて、評価していただいて、なれるのであれば、なりたい」

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