【広島】新井、後輩の願いかなえるために感傷封印

スポーツ報知
気合の入った表情でノックを受ける新井(カメラ・石田 順平)

 広島とソフトバンクが対戦する「SMBC日本シリーズ2018」が27日、マツダスタジアムで開幕する。26日に同球場で練習に臨んだ広島の新井貴浩内野手(41)は現役最後の舞台を前に、盟友の黒田博樹氏を送り出した2年前の日本シリーズの方が感傷に浸っていたことを吐露。平常心で勝負に徹して、34年ぶりの日本一を目指す。ソフトバンクは、アルフレド・デスパイネ外野手(32)ら充実した代打陣を駆使して2年連続の日本シリーズ制覇を達成する。

 おおらかで明るい新井の姿は、頂上決戦を前にしても変わらなかった。「自分のことについて感傷的になることはまだないです。明日から、いよいよ始まるなという気持ちだけ。少しでもファンの方々に喜んでもらえたらと思います」。最大7試合を残すだけになった現役生活にも、笑顔を交えながら淡々と言葉をつむいだ。

 カープの選手として初めて臨んだ2年前のシリーズは全く逆の心境だった。「黒田さんが引退することで頭がいっぱい。なかなか自分のことでは感傷的にならないけど、『黒田さんとやれるのはこれで最後だな』と思った時に感傷的になっていましたね」。グラウンドでは全力を尽くしたが、5試合の出場で12打数2安打。悔しさをぶつけるチャンスが巡ってきた。

 本拠地での第1、2戦は代打待機が濃厚だが、DH制のビジターでは指名打者や一塁での先発もある。「一つ言えることは、2年前は初めてのシリーズだった。みんな今は経験もあるし、メリハリがしっかりしている。明日になって、ガッと(気持ちも)いくんじゃないですか」とナインの思いを代弁した。

 チームメートが「新井さんと日本一」と繰り返すことには「そう言ってもらってありがたい。幸せです」と言うものの、本人はあくまで勝負に徹する。「相手は全てにおいてレベルの高い、強いチーム。自分たちは一丸となってプレー面でも気持ちの面でも攻めていく」。プロ20年の集大成も、これまで通りの全力プレーで締めくくる。(表 洋介)

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