【広島】機動力封じられた 緒方監督「先制したかったけど仕方がない」ワースト更新6連続盗塁死

◆SMBC日本シリーズ2018第4戦 ソフトバンク4―1広島(31日・ヤフオクドーム)
SMBC日本シリーズ2018は31日、第4戦がヤフオクドームで行われ、ソフトバンクが4―1で勝利。連勝で2勝1敗1分けとした。不振だった上林が3回に先制2ラン、4回はデスパイネが2試合連続のソロ。11年からの本拠地11連勝は、1970~73年の巨人(後楽園)を上回るシリーズ新記録となった。広島は鈴木が4回に2試合連発の3号ソロを放ったが、自慢の機動力がソフトバンクに封じられた。
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カープ野球の代名詞である機動力を封じられては、なすすべがなかった。緒方監督は「先制したかったけど仕方がない。良い攻撃、良い采配ができなかった」とサバサバと振り返った。
初回の好機を生かせなかったのが響いた。1死から菊池が左前安打で出塁。続く丸が右中間を破る二塁打を放ち、菊池は三塁を蹴ったが、相手守備陣の好返球に阻まれて本塁でタッチアウト。4番・鈴木は見逃し三振に倒れ、無得点に終わった。
5回2死一塁の場面では、一塁走者の安部が4球目でスタートを切ったが、捕手・甲斐の強肩の前に盗塁失敗。レギュラーシーズンでは8度盗塁を試み、7度成功している安部だが「スタートは悪くなかったけど、甲斐くんが…。一歩及ばなかったです」とうなだれた。第1戦から6連続盗塁死で、日本シリーズワーストを更新。セ・リーグ最多の95盗塁を記録した足攻が、ことごとくはね返されている。
リズムに乗れない攻撃が、自慢の守備にも悪影響を与えた。2点ビハインドの6回1死一、三塁で、代打・長谷川勇の二塁ベース付近へのゴロを菊池と田中がお見合いするような形に。打球はそのまま中前へ抜けるタイムリーとなり、ダメ押しの4点目を奪われた。
日本シリーズでのビジターゲームは7連敗。セ・リーグとしても敵地での連敗は14に伸びた。今シリーズでの16得点中、本塁打での得点は9点。主砲の鈴木を中心とした一発攻勢は健在だが、つながりを欠いた打線は4番のソロだけに抑えられた。
高ヘッドコーチは「次の塁を狙う姿勢は失わない? もちろん」と強調。「勝負するのは捕手というより投手。ピッチャーに隙があれば狙っていく」と打開策を口にした。本来の赤ヘル野球を取り戻せば、ビジターという“鬼門”も突破できるはずだ。(種村 亮)