【西武】ドラ4粟津、潮崎シンカーで神宮大会初勝利に挑む

スポーツ報知
元西武の潮崎氏の動画で学んだシンカーを武器に進化を遂げた粟津

 プロ野球ドラフト会議で西武から4位指名を受けた東日本国際大(福島)の粟津凱士(あわつ・かいと)投手(21)=山本学園=が1日、いわき市内の同校で指名あいさつを受けた。出身高校、大学ともに初のドラフト指名選手に加え、チームは東北地区代表決定戦を勝ち抜き、明治神宮大会(9日から6日間、神宮)に初出場。“初ものづくし”のきっかけとなった粟津が、神宮大会初勝利&初優勝へ気持ちを新たにした。

 緊張感もありながら、ようやく実感がわいてきたとばかりに、指名あいさつ後、東日本国際大・粟津の表情がやわらいだ。大学だけでなく、出身高の山形・山本学園からも初のプロ野球選手となる。「うちには少ないタイプ。欲しい戦力だった」という西武・渡辺智男スカウト部長代行(51)の言葉に、粟津は「(高校、大学とも)初めての選手が一番活躍した、と言われるよう頑張りたい」と反応した。

 西武には“縁”を感じている。今季西武2軍監督の潮崎哲也氏(49)と腕の振りが似ているため、現役時代の動画を何度も見て研究を重ねたことが、飛躍のきっかけだった。決め球とするシンカーも潮崎氏の動画が“先生”。シンカーを習得した3年秋以降のリーグ戦3季は、投球回数を上回る三振を奪い、8強入りした6月の全日本大学野球選手権も2戦計12回2/3を投げて無失点に抑えた。「(動画は)今も見ている。投球の全てを聞きたいです」(粟津)と、本人との対面を心待ちにしている。

 指名後は祝福の電話や連絡が集中し、粟津は「スマホがフリーズしました。こんなこと初めて」と苦笑い。ドラフト後の10月28、29日に行われた東北地区代表決定戦では、八戸学院大、東北福祉大を連破した。同校初のドラフト指名を受けた粟津に続くかのように、チームも南東北大学野球連盟所属として、明治神宮大会初出場を決めた。次に目指すは明治神宮大会初勝利、そして初優勝だ。

 「(神宮では)任された場面は必ず抑えて、勝ちに貢献できるようにしたい」と決意をみせた粟津。代表決定戦は2戦ともブルペンで準備も、出番なし。大事な試合で投げられなかったことも力に変え、ドラフト指名選手のプレッシャーをはねのける好投でその名を広める。(有吉 広紀)

 ◆粟津 凱士(あわつ・かいと)1997年3月1日、山形市生まれ。21歳。小3で野球を始め、山形二中から山本学園に進む。東日本国際大では1年春からベンチ入り。4年時は春秋ともに最多勝利投手賞とベストナイン。リーグ通算14勝。180センチ、80キロ。右投右打。家族は両親、姉。血液型A。

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