【ソフトバンク】伏兵・明石、起死回生の同点弾「打った瞬間、入ると思いましたが、奇跡です」

スポーツ報知
7回1死、同点ソロを放った明石(カメラ・石田 順平)

◆SMBC日本シリーズ2018第5戦 ソフトバンク5x―4広島=延長10回=(1日・ヤフオクドーム)

 ソフトバンク・明石が大仕事をやってのけた。1点をリードされて迎えた7回、広島・フランスアから起死回生の同点弾。今季レギュラーシーズンでわずか1本塁打、プロ通算でも15年で計10発の伏兵が、広島の必勝リレーを打ち砕いた。

 文字通り、起死回生の一発だった。1点を追う7回1死。明石は、フランスアの真ん中やや高めに入ってきたスライダーを振り抜いた。完ぺきにとらえた快音に、明石も、ベンチも、スタンドのファンも同点を確信。大歓声とともに打球はテラス席に飛び込んだ。「打った瞬間、入ると思いましたが、奇跡です」。自身も予想外の1号ソロ。ベンチで手荒い祝福を受け、満面の笑みで応えた。

 今季は、出だしから苦しんだシーズンだった。春季キャンプ終盤の2月27日、球場内の通路で動けなくなるほどの腰痛を訴え、救急車で宮崎市内の病院に緊急搬送された。急性腰痛のため、チームがキャンプ終了後も入院を余儀なくされた。ようやく退院できたのは3月2日だった。

 4月18日には1軍に昇格したが、27日には降格。6月には、腰の張りで抹消され、再昇格は8月だった。それでも、サッカーのブラジル代表も行うストレッチを取り入れるなど、はい上がってきた。内野も外野も守れる器用さが持ち味だが、日本ハムとのCS第1S第3戦でも一発を放っており、意外なパンチ力も魅力だ。球団の評価も高く、昨年オフには3年契約を交わした。

 工藤監督も「本人は奇跡と言っていたが、何とかという気持ちがホームランになったのでは」と背番号8をたたえた。12球団屈指の選手層を誇るホークス。改めてそれを証明する明石の活躍だった。(嶋田 直人)

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