【広島】逃げ切れず3連敗で崖っぷち…マツダで奇跡の逆転V狙う

スポーツ報知
延長10回無死、柳田に右越えサヨナラ本塁打を浴び、うつむきながら引き揚げる中崎(カメラ・岩下 翔太)

◆SMBC日本シリーズ2018第5戦 ソフトバンク5x―4広島=延長10回=(1日・ヤフオクドーム)

 柳田の打球の行方を見送った中崎は、視線を下に落としたままマウンドを降りた。守護神にとっては、日本ハム・西川にサヨナラ満塁本塁打を浴びた2016年第5戦をほうふつとさせる悪夢のサヨナラ負け。「すいません、また明日頑張ります」と、言葉少なくバスへと乗り込んだ。

 緒方監督の勝負手も、ソフトバンクの強力打線には通じなかった。1点リードの6回から一岡をマウンドに送ったが、2死から今宮に左翼線への二塁打を許すと、すぐさまフランスアにスイッチ。6回は無失点に抑えたが、続投した左腕は7回に明石にソロを被弾し、試合が振り出しに戻った。

 中崎は9回1死からフランスアに代わって登板。この回は2者を抑えたが、イニングまたぎの延長10回、先頭の柳田に劇弾を許した。リーグ終盤の投手陣を支えた勝利の方程式が崩壊。助っ人左腕は無言を貫いたが、指揮官は「早めの継投? 別に。普通だろ。選手たちはしっかりやってくれている」と責めなかった。

 またしても“鬼門”を破ることはできず、敵地で悪夢の3タテ。日本シリーズでのビジターゲームは8連敗となり、セ・リーグ球団としても敵地での連敗は15に伸びた。レギュラーシーズンでは41度の逆転勝ちを記録しているが、シリーズではサヨナラ試合で4連敗と勝ちきれない。さらに先に王手をかけられた日本シリーズも、3度のうち逆転日本一は80年の1度しかない。

 3度リードを奪いながら逃げ切れなかったが指揮官は「コンディションをしっかり整えて、広島でしっかり戦うだけ」と前を向いた。34年ぶりの日本一へ崖っぷちに追い込まれた赤ヘル軍団。今季も45勝25敗2分けと無類の強さを誇った本拠地で、奇跡の逆転Vを果たせるか。(種村 亮)

野球

×