【西武】育成2位198センチ大窪、夢は「沢村賞」と母へ恩返しの“巨大風呂”

スポーツ報知
色紙に「沢村賞を取る!」と記し、笑顔を見せる北海・大窪(右は母の理恵子さん)

 西武からドラフト育成2位指名を受けた北海の198センチ右腕・大窪士夢(じゆ)投手(18)が21日、札幌市内のホテルで入団交渉を行い、支度金350万円、年俸280万円で契約合意した。阪神・藤浪晋太郎投手(24)の197センチを抜き、日本人最長身となる超大型右腕。将来の目標に「沢村賞」を掲げ、女手一つで育ててくれた母の理恵子さん(47)には“巨大風呂”を贈る青写真を描いた。

 北海・大窪は力強く目を見開き「もう本当にやるしかない。日本を代表する投手になりたい、という思いが強い」と心境を口にした。198センチの長身から投げ下ろす直球が武器という右腕。最速は130キロ台後半ながら、担当した水沢スカウトが「大きいだけではなく、器用さもあり、いろんな可能性を秘めている」と評する、未完の大器だ。

 母・理恵子さんと交渉に臨んだ大窪は、家族への感謝の言葉も忘れなかった。福祉施設に勤める理恵子さんは、早い時は朝6時に出勤し、遅い時は夜10時過ぎに帰宅。女手一つで、大きく育ててくれた。自宅が岩見沢市のため、札幌市内に住む姉の莉叶(りと)さん(23)は「野球に専念できるように」と、自宅から学校まで通わせてくれた。「感謝の思いしかない」と大窪。家族の支えも借りながら、夢だったプロの世界までたどり着いた。

 そんな家族へ、大窪は「母には家を贈りたい。湯船につかっているのを、あまり見たことがないので大きなお風呂を」と恩返しプランを明かした。バレーボールをしていたという理恵子さんも174センチと長身。「足を伸ばして入れる大きさに。帰りが遅いので、体が休まるように寝具も。恩返しが、頑張れる理由です」と、母を思いやった。

 12月中旬には球団のイベントに登場し、ユニホーム姿をファンに披露する予定だ。「『西武の巨人』と呼ばれたい。1年で支配下に上がって、将来は沢村賞。そしてメジャーに」。体も目標もビッグな大男が、満を持して大海原へ飛び込む。(宮崎 亮太)

 ◆大窪 士夢(おおくぼ・じゆ)2000年8月2日、北海道・岩見沢市生まれ。18歳。岩見沢第一小3年で野球を始める。北海では、2年秋に背番号11で初めてベンチ入り。1学年上にDeNA・阪口皓亮(19)がいる。球種は直球、スライダー、カーブ、カットボール、チェンジアップ、スプリット。198センチ、89キロ。右投右打。家族は母と姉。

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