【DeNA】筒香、来オフにもメジャー「小さい頃からの夢。思い伝えました」

スポーツ報知
4億円で契約を更改した筒香はメジャーへの熱意を球団に伝えた(カメラ・池内 雅彦)

 DeNA・筒香嘉智外野手(27)が早ければ来オフにもポスティングでメジャーに移籍することが30日、明らかになった。横浜市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み5000万円増の4億円でサイン。その後の会見で「小さい頃からの夢でもあるメジャーでプレーしたい思いがあると球団に伝えさせてもらいました」と説明。海外FA権の取得は早くても21年オフだが、その前に夢の舞台に挑戦する可能性が高くなった。

 真っすぐな感情を筒香が口にした。今オフ、同世代の西武・菊池がポスティング制度を利用して海を渡る。それについての思いを語った直後だった。自身に関して「小さい頃からの夢でもあるメジャーでプレーしたい思いがあると、球団に伝えさせてもらいました。メジャーリーガーを見て、もうずっと憧れが強かったし、夢だった」と素直に言った。

 以前からメジャー願望があるとされていたが、球団に伝えたのも、公の場で発言したのも初。海外FA権の取得は順調にいって21年のオフ。来オフ、もしくはその翌年に挑戦するためにはポスティング制度を利用するしかない。「どういった形になるか分からない。思いがあることだけを伝えました」と話すにとどめた。

 球団では過去に同制度を利用してメジャーに移籍した例はない。早ければ来オフにも同制度の利用を希望するとみられる。三原球団代表は「個人としては真摯(しんし)に受け止めたい。キャプテンでもあり、人気の高い選手。簡単な意思決定ができるものではない」と慎重に言葉を選んだ。岡村球団社長は「本人の気持ちも大切にしたい。球団として何が最適かを考えたい」と容認に含みを持たせた。

 エンゼルス・大谷は一昨年の契約更改でメジャー移籍が容認され、昨オフ、ポスティング移籍。あえて公言したことでシーズン序盤から多くのスカウトが視察に訪れた。筒香も同様に早めに公表したことで、雑音を封じて試合へ集中できるとともに、メジャーの視線も真剣で熱いものとなる。アピールの機会も広まる。

 今季チームは4位で、筒香は打率2割9分5厘、38本塁打、89打点。高卒野手ではイチロー、松井秀喜に次ぐ3番目の速さで4億円に到達した。「納得がいかない。個人もチームも悔しい思いをした。来年はベイスターズのために身を削ってでも全力で頑張ります」。大谷、菊池もチームを優勝に導いてから、夢の舞台へステージを移した。筒香も気持ちは同じだ。まずは国内で、最高の結果を残すことに集中する。(岸 慎也)

 ◆ポスティングシステム(入札制度) NPB球団が、海外FA権を取得していない所属選手のメジャー行きを認める制度で、今オフの流れは別表の通り。申請期限は12月5日。日本野球機構(NPB)を通じて米大リーグ機構(MLB)に契約可能選手として通知された後、譲渡金を支払う意思を持つ全ての球団が30日間交渉。今オフからは、選手が結んだ契約金と年俸の総額に応じて日本球団への譲渡金の額が決まる。

 ◆大谷のポスティング経過 高卒4年目、チームを日本一へ導いた16年12月の契約更改で、球団から17年オフ以降のメジャー移籍を容認された。当時の日本ハム・島田球団代表は「来年か再来年か分からないが、お互いに準備する必要がある」と公表の理由を説明。翌17年には米アリゾナ・キャンプからメジャーが視察。登板試合はもちろん、けがで2軍でリハビリ中でもスカウトが訪れるなど“大谷詣で”が続いた。

 ◆筒香 嘉智(つつごう・よしとも)1991年11月26日、和歌山・橋本市生まれ。27歳。横浜高では2年春夏に甲子園に出場するなど通算69本塁打。2009年ドラフト1位で横浜(現DeNA)入団。16年には44本塁打、110打点で2冠。17年WBC日本代表。185センチ、97キロ。右投左打。来季年俸4億円。既婚。

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