【中日】森SDの作戦!?「バカにするような代理人と付き合う気ない」…田中が見た18年総集編

スポーツ報知
中日監督時代の森SD

 「バカにするような代理人と付き合う気はない」。日焼けした顔を上気させ、早口でまくし立てた。来日1年目に13勝を挙げたガルシアと契約しないことを決めた森繁和SD(64)。今月3日、恒例の中米視察を終えた帰国第一声だった。「離日前に複数年契約でまとまっていた。(後日)何かがあったんでしょうね!」「(要求額?)ウチには他にも選手がいる。波風が立つようなことはしたくない」とも打ち明けた。

 つまり、ガルシアにどうしても残ってほしかった。左腕も「俺にはドラゴンズブルーの血が流れている」と言うほど相思相愛だった。けれども“悪徳代理人”が突拍子もない金額を吹っかけてきた。だから契約更新を断念した、ということか。

 しかし、何かが引っかかる。あの泣く子も黙る森繁サンがどうにも冗舌だったのだ。監督時代の試合後のコメントが「好きに書け」のひと言だけ、ということも日常茶飯事の、あの森繁サンが。助っ人獲りにまつわる例のエピソードを思い出した。

 16年オフ、中日がゲレーロ(現巨人)を獲得した。実は阪神の方が先に調査していたが「素行もコンディションも最悪」という情報をうのみにして手を引いたという。“後攻”ながら、いきなり本塁打王に輝いた優良助っ人を手に入れた森監督(当時)は、後日「何を信用するかは別。こっちとしては、そういう情報を流したのかも分からない」と流言のネタ元が自身であることを示唆したのだ。

 そしてガルシアだ。阪神と単年150万ドル(約1億7000万円)で契約した。中日時代は単年50万ドルだったが、まあ妥当な条件だろう。しかし「複数年」や「波風が立つような要求額」はどこへ消えたのか。

 実は条件面では合意可能だったが、何らかの理由で森SDが契約延長を拒否した―。そんな仮説は立てられないか。前半戦こそ9勝4敗とエース級の働きだったが、後半戦は4勝5敗と息切れした左腕が、矯正不可能なレベルの問題を抱えていたと見抜いたのかもしれない。そんなわけでガルシアは不要だが、うまいこと同一リーグの球団につかませられれば自軍は有利になる。だから「バカにするような代理人」うんぬんと流言を流布したのではないか。

 記者は阪神を案じている。(中日担当・田中 昌宏)

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