【ロッテ】「チーム戦略部」を新設 専任チーフには前“楽天の頭脳”行木氏

スポーツ報知
行木茂満チーフスコアラー

 ロッテが「チーム戦略部」を新設したことが26日、明らかになった。球団の仕事納めで対応した山室晋也球団社長(58)は「強化のための資金作り、体力づくりに努めてきた。ようやく基礎体力がついてきたので攻めに転じていく。選手補強だけでなく組織強化をしてチームの魅力を上げていく」と力説。球団は今季、創設50年目にして初の黒字化を達成。近年、各球団がデータ分析に力を入れているが、純利益が約7億円に上ったことでチーム強化のための資金投入が可能となった。

 すでに日本でも広島以外の11球団が本拠地で採用している、MLBのトラックマン(高性能弾道測定器)などのデータを基に意図的に飛球を打って本塁打を量産する「フライボール革命」を打ち出し、17年のワールドシリーズを制したアストロズをモデルに「データ野球」を推進していく。

 専任チーフスコアラーには前楽天のチーム戦略室に所属した“楽天の頭脳”こと、行木(なめき)茂満氏を起用する。さらにアナリスト(分析担当)など約20人で構成される同部にはインフラ設備を含めて2億円超を投資する。現場へのデータ重視の高度な戦略提供に加えて選手育成や海外選手のスカウティングも行っていく。「現場のためになるように。新しいデータベース野球の姿を作っていきたい」と、山室社長はチームの“データ革命”を思い描いた。(長井 毅)

 ◆巨人のデータ分析室 データ解析は17年まではスコアラーらが属する運営部戦略室が行ってきたが、今年1月から戦略室を「データ分析室」として独立させる形で新設。小久保監督指揮下の侍ジャパンで最新データ分析に携わった高梨慎一氏を室長に、総勢8人で「トラックマン」などで得たデータの分析や、選手の動画を撮影して動作解析などを行っている。

 ◆楽天の戦略室 2005年の球団創設時にJリーグの組織図を参考にチーム統括本部を設立すると、11年に統括本部をサポートするチーム強化部が新設され、13年にチーム戦略室に改称された。14年には日本球界では初めて「トラックマン」を導入。18年は村田慎吾室長を筆頭にスコアラーなど11人が所属して、チーム内外のデータの収集や分析を行っている。試合前には選手一人一人に、集めたデータを基にアドバイスを送る。

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