【日本ハム】ドラ1吉田、初めて捕手座らせ21球 浮き上がって落ちる「輝星カーブ」

スポーツ報知
ブルペンで熱の入った投球練習を行った吉田輝(カメラ・中島 傑)

 日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(18)=金足農=が24日、千葉・鎌ケ谷での新人合同自主トレで初めて捕手を座らせての投球練習を行った。縦に大きく割れる“輝星カーブ”に、植村ブルペン捕手は「受けたことがない軌道」と絶賛。侍ジャパン・稲葉篤紀監督(46)が重要視する「特殊球」の片りんを示した。また、中日のドラフト1位・根尾昂内野手(18)=大阪桐蔭高=が、沖縄・読谷の2軍でキャンプスタートを迎えることが決まり、黄金新人で明暗が分かれた。

 輝星の指先を離れた白球が、1度フワッと浮いた後、鋭く沈んで捕手のミットに収まった。新人合同自主トレ3度目のブルペン入りで、初めて捕手を座らせた。カーブ、スライダーを交えて21球を投げ込むと「回数を重ねるごとに感覚は良くなっています」と振り返った。

 球を受けた元投手の植村ブルペン捕手は驚きの声を上げた。「(変化が)独特。受けたことがない軌道。捕りづらかったので打者も打ちづらいと思う」と絶賛。さらに「(上方向に)抜けるけど、そこからの落ちが速い。パワーカーブみたいな曲がりなのにスピードはそんなに速くない」と語った。

 一般的な球速110キロ台のカーブに比べ、パワーカーブは球速120キロ台と速く、急激に落ちるのが特徴。カブス・ダルビッシュや巨人・菅野らが武器としている。「輝星カーブ」は、同球種ほどの球速はないが、浮き上がった後に鋭く落ちる点では共通しており、急激な変化で空振りを奪うことが可能。右腕は「到達点が低すぎる。しっかり高めから低めに落ちれば」と反省したが、能力の高さが垣間見えた。

 国際舞台でも大きな武器となるかもしれない。稲葉監督は投手を語る際、初見で対応しづらい「特殊球」を重要視。カーブ、スライダー、スプリット、チェンジアップ、ツーシーム、カットボールを操る右腕だが、「輝星カーブ」を磨くことが東京五輪選出の近道になる可能性もありそうだ。

 この日は、投球時の体重移動がスムーズにいかず、スライダーの変化が不安定になり、直球がカット気味になるなどの課題も出た。「感覚を早く取り戻したい」。キャンプインへ向けて、じっくりと刀を研いでいく。(小島 和之)

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