【阪神】原口、大腸がん公表「常に前だけを向いて進んでいきます」ツイッターで直筆メッセージ

スポーツ報知
昨年の8月、ヤクルト戦で左前安打を放つ代打・原口

 阪神・原口文仁捕手(26)が24日、自身のツイッターアカウントを開設し、大腸がんであることを公表した。昨年末に人間ドックを受診し、1月に入って判明した。進行具合などは明らかにせず、近日中に手術を受ける予定。勝負強い打撃が武器で、矢野燿大監督(50)も期待を寄せていた正捕手候補。当面は治療に専念するが、原口は早期復帰へ意欲を燃やした。

 つらいニュースは、原口自身から報告された。この日の午後3時。開設したばかりの公式ツイッターで自筆のメッセージを初投稿した。「プロ10年目を迎えるにあたり昨年末、人間ドッグを受診したところガンと診断されました」。その後、球団側が取材対応し、大腸がんであることが判明した。

 昨年末に人間ドックを受診し、1月に入ってから発覚。26歳と若いだけに、原口は「病名を聞いた時は、さすがに驚き、動揺したのも事実です」と正直な心境をつづった。進行具合などについては明らかにしなかったが、2月1日からのキャンプは不参加。近日中に手術を受け、当面は治療に専念することになった。

 09年のドラフト6位で入団し、腰痛もあって12年オフには一度、育成選手となった。地道なリハビリを経て、16年4月に支配下登録選手へ復帰。同年に自己最多の11本塁打をマークすると、勝負強い打撃が開花した。昨年は17年ぶりの最下位に沈んだチームで奮闘。代打でシーズン23安打を放ち、08年の桧山の球団記録に並んだ。

 代打、一塁も守れる万能型から、昨秋のキャンプでは捕手一本で勝負することを決意。矢野監督も「競争には間違いなく入ってくるんじゃないかな」と成長を認め、梅野を脅かす正捕手候補として期待を高めていた。西宮市内の球団事務所で対応した谷本球団副社長は「彼は前向きにやっていこうとしている。球団としても、その気持ちに応えられるように」と全面的に支援することを強調。「野球の神様も見ていてほしいな…と思います」と祈るような表情で言葉をつないだ。

 これからの闘病生活を前に、原口は「同じガン患者の方々、またそのご家族の方々にとって少しでも夢や希望となれるよう精一杯、治療に励みたいと思っています。常に前だけを向いて進んでいきます」などと早期復帰へ意欲をにじませた。練習熱心で、誠実な人柄は誰もが知るところ。戦力としての穴は大きいが、今は一日も早い回復を願うしかない。

 ◆大腸がん

 早期の段階では自覚症状はほとんどなく、進行すると症状が出ることが多い。新たに診断される人は1年間に10万人あたり103人で、患者数は男性では胃がん、肺がんに続く、約9万人。診断される割合は40歳代から増加し始め、高齢になるほど高くなる。手術後は1~3か月で日常生活を送れるようになるが、激しい運動は数か月控えた方がよいとされる。

 ◆がん、腫瘍を克服した主なプロ野球選手

 ▼近鉄・盛田幸妃 1998年、左頭頂部に脳腫瘍が見つかり手術。1軍復帰した2001年は2勝を挙げ球宴出場、カムバック賞受賞と復活。02年に引退した後、15年に45歳で死去。

 ▼楽天・戸叶尚 06年に精巣腫瘍の摘出手術を行ったことを公表。投球練習再開まで回復も同年に戦力外通告を受け現役引退。

 ▼広島・赤松真人 16年12月に初期段階の胃がんを患っていることを公表し、17年1月に切除手術。昨季は2軍で実戦復帰し、ウエスタン・リーグ55試合に出場。

 ▼阪神・横田慎太郎 17年2月に脳腫瘍を患い、約半年間の入院と治療を経て回復しチームに復帰。育成選手として、実戦復帰を目指している。

 ◆原口 文仁(はらぐち・ふみひと)1992年3月3日、埼玉県生まれ。26歳。帝京高では1、3年の夏の甲子園で8強。2年秋から捕手。2009年ドラフト6位で阪神に入団したが、1軍出場がないまま12年オフから育成選手。16年4月に支配下選手登録。昨季は代打で球団最多タイ記録の23安打を放った。通算で262試合、打率2割8分、19本塁打、90打点。182センチ、92キロ。右投右打。年俸3000万円。既婚。

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