【中日】根尾、焦るな 決断の裏にある与田監督が新人時代にキャンプで経験した思い

スポーツ報知
選手たちの動きを見つめる与田監督(右)

 中日の与田剛監督(53)が29日、ドラフト1位・根尾昂内野手(18)=大阪桐蔭高=の2月中の実戦出場を白紙とした。開幕1軍についても焦らせない方針を強調した。

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 与田監督にスマートフォンを渡した。撮影していた根尾の守備練習の動画を見てもらうと「問題ないね」とつぶやいた。根尾の状態が上向いているのは明白。それでも指揮官が根尾に対して慎重になる理由がある。

 与田監督が中日に入団した1990年。オーストラリアでの1次キャンプを終え、沖縄での2次キャンプ初日、右足太ももに激痛が走った。「ひどい肉離れだった。2月中旬だったし、正直なところ1年目の開幕は諦めた。翌日は全紙『開幕絶望』って書いていた」。だが、焦る気持ちを捨てたことが幸いした。リハビリや地道な練習が結果的には生き、4月7日の大洋との開幕戦に守護神としてマウンドに上がることができた。

 「僕は2月1日からシーズン終了までバリバリ1軍にいなきゃいけないという感覚が強かった。その思いを持たせないようにしたい」。同じドラ1で注目を浴びる根尾の焦る気持ちを理解するから、周囲の期待を抑える役割に回っている。(中日担当・長尾 隆広)

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