【日本ハム】荒木2軍監督が「元アイドル球児」の視点からドラ1吉田輝星に提言 「注目されて入ってきた人間が通るところ」

スポーツ報知

 日本ハムの荒木大輔2軍監督(54)が、国頭キャンプで初めてブルペン入りしたドラフト1位・吉田輝星投手(18)=金足農=同5位・柿木蓮投手(18)=大阪桐蔭高=、同7位・福田俊(すぐる)投手(22)=星槎道都大=の投球について語った。

 制球が乱れがちだった吉田輝については「バタついていた」と評価。自身も甲子園のアイドルとしてプロ入りした経験から「注目されて入ってきた人間が通らなければいけないところ。慣れていけばいい」と提言した。

 昨夏の甲子園V投手の柿木についても「まだ僕らが甲子園大会で見ていたところまでは来ていない」と、仕上がり途上であることを指摘。指名順位こそ低いが、大卒で即戦力の期待がかかる福田には「早くバッターに投げるところを見たい」と高評価を与えた。

〈荒木監督に聞く〉

―吉田輝の初ブルペンの印象は?

「かなりバタついてる印象があった。みなさん(多数の報道陣)のおかげで。自分のタイミングや間で投げられてなかったのかなと」

―光るものはあった?

「いいボールはたくさんあった。ただ、ダメなボールもたくさんあった。初めてのブルペンだし、想定内のこと。これから段々バランスもとれて力も抜けて、本来のものを見せてくれるのでは」

―今日のブルペンを見て修正する点はあった?

「修正する気はない。好きなようにやってもらって、思い切り投げ込んでもらえればいい」

―柿木については。

「彼の方が吉田よりはまだちょっと良かったと思うが、彼も甲子園大会で僕らがテレビで見ていたものと(比べると)、そこまでは来てないかな。彼も最初のブルペン。これも想定内」

―福田については。

「今まで自主トレ等の映像は見ていたが、生で見た方が良かった。ストレートの感じもいいし、変化球の投げ分けもしっかりできている。実戦はまだ先だが、早くバッターに投げるところを見たくなるような出来。今日の3人の中では一番良かった」

―高校生の2人はのびのびやらせる方針か。

「3人ともそう。好きなように投げてもらって、僕らはそういう場を与えて、早く(ファームを)卒業してもらって(1軍の)栗山監督に渡す。それが我々の仕事だと思っている」

―吉田輝の光る部分とは。

「数は少ない中だが、ストレートに関しては、やはりドラフトで上位に評価されるだけの強さを感じた。ただ、数が少なかった」

―吉田輝が自分の間で投げられなかったのは、やはり気持ちの問題か。

「だと思う。真横から(ファンや報道陣に)見られたり、後ろには僕らがいたり、いろんなことがあったと思う。カメラの音だったり。いろんなことが重なってたと思うけど、これは慣れていかなきゃいけないことだし、注目されて入ってきた人間が通らなきゃいけないところ。慣れていけばいいいいんだし、大丈夫」

―それは監督自身も経験した?

「こんなものじゃなかったんで(笑い)。どうにかなります。今は周りに人が付いてくれるんで、僕らの次代とは環境が違う。心配はしていない」

―どれくらいで慣れるもの?

「性格にもよるだろうし、イヤな人は一生イヤだろうし、好きな子はそういうのが当たり前の環境になれば何てこともないだろう。(清宮)幸太郎のように、注目されたら何かしようって頑張れる子もいる。いろんな子がいるのでそれは分からない」

―練習前に新人に声をかけていた。

「昨日はバタバタしててできなかったので(今日)伝えた。必要以上のことはすることないし、例えば高校生なら高校生の時、大学生、社会人もその時に評価されてきたことをそのまま出してくれればいいわけで、変にプロ仕様になることはないと伝えた。例えばキャンプがうまくいかなくても、それが評価ではない。プロ野球というのは2年後、3年後、5年後、10年後に成功すれば、それが(選手としての)成功なので、あせる必要はないと伝えた」

―吉田輝と柿木には、ブルペン投球後にも声をかけていた。

「内容は秘密。気になったこと、技術じゃなくて考え方とか、ブルペンで見ていてそういうのが見られなかったので」

―次の投球への期待は。

「早く野球選手になれれば。吉田(輝)なら高校時代に輝いていたものが出せる状態にしてくれればいい。今そのボールを見たいわけじゃない。体をそういう風にしてもらいたいだけ。それは彼だけじゃないけれど」

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