【日本ハム】新戦力〈1〉吉田輝星の意外な素顔…先輩におねだり「スタバ行きたいです!」

スポーツ報知
5日、ブルペンで2度目の投球練習を行った吉田輝星(カメラ・佐々木 清勝)

 16年以来の日本一を目指す日本ハムに、ドラフト指名を受けた8選手が加わった。スポーツ報知では「2019年新鮮力」と題し、覇権奪回の起爆剤として期待されるルーキーを紹介していく。第1回はドラフト1位・吉田輝星投手(18)=金足農=。最速152キロの直球と1人でマウンドを守り抜いた剛腕で昨夏の甲子園を沸かせた右腕の強さに迫った。

 「日本一の、球界で1番の投手になりたい」。端正な顔立ちからのぞく、白いマウスピースがトレードマーク。昨夏、日本中の注目を詰めた丸刈り頭も、今時の若者らしくスッキリ整えられている。グラウンドを駆けまわるユニホーム姿と背中の「18番」が早くも様になっているのが吉田輝星だ。

 甲子園で人生が激変した。秋田大会前までは地元の北東北大学リーグ・八戸学院大に進学するつもりだった。11年ぶりに出場した選手権では最速150キロの直球を武器に、強敵を次々と破る快進撃。仲間と共に“金農旋風”を巻き起こし一気に主役に躍り出た。決勝で大阪桐蔭に敗れたが、U18高校日本代表入り、福井国体で自己最速の152キロを記録するなど、様々な経験を重ねたことで気持ちに変化が。「プロで自分の力を試したい」。人生を変える決断を自ら下した。

 2軍キャンプ地の沖縄・国頭(くにがみ)村では連日、吉田輝目当てのファンが殺到。背番号18が動けば、200人ほどのファンが一斉に大移動する事態になっている。周囲の騒動にも「注目以上の事をすれば、もっと注目される。さらにそれ以上やってやろうと思う」と冷静だ。ブルペンに入れば集中力が一気に高まり、周囲の音は聞こえなくなる。ファンの熱い視線にも「もっと見てくれってくらい」。注目を力にできる精神力は、天性のエースとして重要な資質だ。

 私生活では人なつっこい18歳。大の甘党で、2軍の本拠地がある千葉・鎌ケ谷では、先輩に「スターバックスに行きたいです!」とおねだり。追加でホイップ、シロップを「超いっぱい入れて下さい!」とオーダーするのが輝星流だ。カップから今にもあふそうな、モリモリのフラペチーノをうれしそうに飲む姿は、普通の高校生と変わらない。

 マウンドに立つと、表情は一変。気持ちを全面に押し出し、闘志あふれる投球スタイルは1軍での活躍を予感させる。「すぐにでも1軍に入って、最低でも1勝を挙げてしっかりと活躍したい」。甲子園で誕生した“スター”は、プロの世界でその輝きを増していく。(秦 雄太郎)

 ◆吉田 輝星(よしだ・こうせい)2001年1月12日、秋田市生まれ。18歳。小3から野球を始め、金足農では1年夏にベンチ入り。同秋からエース。昨夏は秋田大会から甲子園準決勝まで10試合連続完投勝ち。決勝で大阪桐蔭に敗れた。大会通算62奪三振は歴代6位。昨年9月のU18アジア選手権では高校日本代表のエース格を務めた。175センチ、84キロ。右投右打。家族は両親、弟。年俸1000万円(金額は推定)。

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