【阪神】ドラ3木浪、12球団新人最速弾!内野レギュラー争いに名乗り

スポーツ報知
6回、守屋(手前)から右越えに3ランを放ったドラフト3位の木浪(カメラ・豊田 秀一)

◆阪神紅白戦 紅組10―7白組=特別ルール=(7日・宜野座)

 12球団ルーキー最速弾だ! 阪神のドラフト3位・木浪聖也内野手(24)=ホンダ=が、第2クール最終日の7日、今キャンプ初の実戦となる紅白戦に紅組の「7番・三塁」でスタメン出場。同点の6回に決勝3ランを放つなど、最高の“プロデビュー”を飾った。二塁、三塁、遊撃を守れる即戦力新人が、矢野阪神激 戦の内野手レギュラー争いに名乗りを上げた。

 曇天の空へ一直線に伸びた。同点の6回2死一、二塁。木浪は守屋の144キロ直球を振り抜いた。「直球に振り負けないように意識した」。インハイの難しい球に反応し、12球団新人で第1号アーチを右翼席に放り込んだ。前の打席では守屋の高めの直球に空振り三振を喫していたが、修正力の高さを見せた。

 今キャンプでは、バットのヘッドが寝てしまう悪癖を矯正。ボールまで最短距離の軌道を描くことを意識してきた。内角球は決して得意ではないが、大事な場面で成果を発揮した。試合後、宜野座は激しい雨に見舞われた。天気予報から試合開始を約2時間早めたおかげで飛び出した決勝弾に、DeNA・東野スコアラーは「簡単な球ではなかった。ちょっと注意して報告しないと」と表情を曇らせた。

 “プロ初打席”の2回無死一塁では初球を一塁線に絶妙な送りバント。この日はノーサインだったが、無死一塁では犠打と前日から決めていたという。「(犠打の練習は)大学の時に死ぬほどやりました。小技をできるところを見せたかった」とアピールに成功。矢野監督は「これがどんどん続くと、誰をどうしようかなと悩むようになってくる」とうれしい悲鳴を上げた。

 打線は両軍合わせて17得点。3安打の北條をはじめ、二塁、三塁、遊撃の定位置争いは激しさを増すばかりだ。社会人時代は遊撃が本職だったが、今キャンプでは二塁を守ることが多く、この日は三塁で出場。「どこでも守れるのが売り。チームの顔というか、覚えられる選手になりたい」。万能な背番号0が先輩たちに食らいつく。(中村 晃大)

 ▼木浪が挑むポジション争い

 二塁は昨季定位置をつかみ、三塁、遊撃も守れる糸原、昨季の左膝前十字靱帯(じんたい)損傷から復活を目指す上本らが候補。遊撃は左肩亜脱臼から復帰した北條、レギュラー再奪取を狙う鳥谷、植田らも虎視眈々(たんたん)と狙う。三塁は4番候補で好守も光る大山がいて、一塁最有力候補ながら新外国人のマルテも元々は本職。

 ◆木浪 聖也(きなみ・せいや)1994年6月15日、青森市生まれ。24歳。青森山田高では、三塁手として京田(現中日)と三遊間コンビを形成するも甲子園出場なし。亜大、ホンダを経て18年ドラフト3位で阪神入団。178センチ、80キロ。右投左打。年俸1000万円。

野球

×