【日本ハム】新戦力〈8〉育成1位・海老原一佳、今年絶対支配下「強い打球&長打アピール」

スポーツ報知
球団初の育成選手となる海老原。長距離砲として期待される

 日本ハムの育成1位・海老原一佳外野手(23)=BC富山=は、ハングリー精神を武器にはい上がる。球団初の育成選手は「『当てるヒットはいらない』と言われている。強い打球、長打でアピールしたい」と言う。188センチ、92キロの恵まれた体格から放つ放物線は天性の長距離打者の証だ。

 順風満帆の野球人生ではない。創価大では、肩、肘、腰など、度重なる負傷に苦しんだ。リーグ戦では4番を打ったこともあったが、最後のシーズンは指名打者、代打での出場が中心。「大学の時は落ち込んで、NPBを目指しているって感じじゃなかった」。希望した社会人にも行けず、独立リーグ・BC富山に進んだ。

 富山では金銭的には苦しかった。月10万円が基本給。市営住宅の家賃1万を合わせて、生活費は月3~5万円ほど。「朝食はコンビニに寄っておにぎり2個とか。練習もハードだったのでお昼ご飯も食べずにずっと練習とかもありました」。登録体重は93キロだったが、実際は87キロまで痩せていた。

 だが野球に打ち込む熱意は冷めなかった。18年5月の試合で本塁突入の際に、右膝を故障。2か月弱実戦から離れたが、人員不足のためベンチでスコアラーを務めた経験から投手の癖や配球が自然と頭に入った。現楽天コーチの伊藤智仁前監督(48)や、上原茂行コーチ(45、元ヤクルトコーチ)の熱心な指導に「朝から練習につきあってくれたり、必死に指導してくれた。期待に応えたい」。復帰後は打ちまくり、10月の入団テストは鎌ケ谷で場外弾を放ち育成契約をつかんだ。

 「(日本ハムの)寮のご飯もおいしいので、今は体重も増えました」と笑顔で語る背番号144は希望に満ちている。支配下登録の期限は7月末まで。「今年絶対に支配下登録をとる。1軍で試合に出場してレギュラー定着が目標です」。海老原の3桁のユニホームは、すぐにレアものになるはずだ。(秦 雄太郎)=おわり=

 ◆海老原 一佳(えびはら・かずよし)1995年9月13日、東京・昭島市生まれ。23歳。拝島第一小1年生の時、昭島ヤングライオンズで野球を始め、東海大菅生高中等部から創価高に進学。「5番・中堅」で3年夏の西東京大会4強。創価大では1年からリーグ戦に出場。BC富山では打率3割2分9厘を残し、球団初の育成ドラフトで指名。母方の祖父は米国人のクオーター。家族は両親と姉。188センチ、92キロ。右投左打。年俸260万円(推定)

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