【日本ハム】台湾の至宝・王、紅白戦で“来日初本塁打”栗山監督「あれが王柏融」

スポーツ報知
4回無死、白組・王柏融(右から3人目)が中越えソロを放つ

◆日本ハム紅白戦 白組5―1紅組=特別ルール=(16日・国頭)

 台湾ラミゴから加入した日本ハムの王柏融(ワン・ボーロン)外野手(25)が16日、キャンプ地の沖縄・国頭(くにがみ)村で行われた紅白戦で“来日初本塁打”を放った。同点の4回先頭で、2年目右腕・西村の投じた147キロ直球をバックスクリーン左へ運んだ。台湾球界で2度の打率4割、1度の三冠王を獲得した好打者の一打には、栗山監督も「あれが王柏融」と絶賛。台湾の至宝が、徐々にペースを上げてきた。

 球場の誰もが、期待と共に打球を目で追った。同点の4回先頭。マウンドには紅組3番手・西村。フルカウントからの7球目、真ん中に甘く入った147キロの直球を、王は大きなフォロースルーではじき返した。高々と打ち上げた白球は、長い滞空時間を経てバックスクリーン左へと着弾。「感触はすごく良かった。しっかりとスイングができた」。客席からの拍手を受けてダイヤモンドを一周し、ベンチではチームメートと笑顔でハイタッチを繰り返した。

 長打以外でも、持ち味を発揮した。初回2死の第1打席はドラフト5位・柿木との対戦で一ゴロに倒れたが、2球で追い込まれた後、際どいコースをファウルで2球粘った末に凡退。第2打席は3球で追い込まれた後、再びギリギリのコースを見極めてフルカウントにまで持ち込み、最後は失投を捉えた。本塁打には「あれは当てただけ。ちょうど風が吹いたんじゃないですか?」とおどけたが、追い込まれてからの対応力が打撃技術の高さを物語った。

 中軸としての働きを期待する栗山監督は、「あれが王柏融。センターフライかと思った打球が、あそこまで飛ぶ。球を遠くに飛ばせる能力は、うち(の打線)にとってかなりプラスになる気がする」と評価した。来日後、初の実戦で存在感を放った王だが「オープン戦も公式戦もこれから。きょうは1つの紅白戦」と冷静だ。まだまだ調整段階。台湾の至宝の実力はこんなものじゃない。(小島 和之)

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