【日本ハム】ドラ1吉田輝星、バックスクリーン弾浴びるほろ苦デビュー「50点よりは上」

スポーツ報知
1回1死、清宮(左)を二ゴロに打ち取った吉田輝(カメラ・豊田 秀一)

◆日本ハム紅白戦 白組5―1紅組=特別ルール=(16日・国頭)

 日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(18)=金足農=が16日、沖縄・国頭(くにがみ)村で行われた1、2軍合同の紅白戦で、ほろ苦デビューを果たした。白組の先発投手を務め、大田にバックスクリーン弾を浴びるなど、1回1安打1失点。それでも清宮を直球で二ゴロに抑えるなど、実力の片りんは示した。昨夏の甲子園決勝以来の投げ合いとなった同5位の柿木蓮投手(18)=大阪桐蔭高=は、1回完全の満点投球でデビューした。

 輝星のこん身の直球に、鶴岡のバットが空を切った。報道41社147人と、今キャンプ最多2200人が訪れた国頭球場。外野席まで埋めたファンの視線は、2死二、三塁のピンチを背負った右腕に注がれた。「キャンプで一番いい球だったんじゃないかな」。この日最高の1球で奪った“プロ初三振”に、万雷の拍手が湧き起こった。

 悔しさも、手応えもあったデビュー戦。登板後は「(自己採点は)50点よりは全然上です」と冷静に分析した。先頭の西川を二ゴロに打ち取った後、2番・大田に甘く入った144キロの直球をバックスクリーンに運ばれ、プロの洗礼も浴びた。「ちょっと遠慮してしまった。もっと厳しく(コースを)つけるような気持ちでいかないといけない」。2死から連続四球と暴投でピンチを広げたが、最後は三振で締めた。

 自己最速152キロには及ばなかったが、この日の最速は146キロ。素材の高さは示した。栗山監督は「持っているものの大きさは感じられたので、すごくいいスタートを切った」と目を細めた。二ゴロに倒れた清宮は「真っすぐはいいものがある。堂々としてました」と高校生らしからぬマウンド度胸を称賛。捕手を務めた石川亮も「スピードガン以上に速く感じました。高卒のボールじゃない」と目を丸くした。

 昨夏の甲子園決勝の再現は、柿木に軍配が上がった。輝星は「内容だと判定は難しいので。自分の投球をしっかりしようと思ってました。想像通り楽しかった」と再戦に笑顔。クールダウンのため柿木の投球は見られなかったが、3者凡退13球でロッカーに戻った好敵手に「早いなあ」と感嘆した。

 プロのストライクゾーンや打者の反応を確認できたのも収穫だ。今後も2軍に帯同しながら調整を続ける。「最後のボールをいつでも投げられるような準備をしていきたい」。平成最後の怪物が、プロの第一歩を踏み出した。(秦 雄太郎)

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