【ロッテ】藤原、完璧打!開幕1軍へ外野争い負けん「持っている力を出していきたい」

スポーツ報知
3回1死一、三塁、中村奨が放った左中間二塁打で一塁から生還する藤原(捕手は木下拓=カメラ・義村 治子)

◆オープン戦 中日3―9ロッテ(3日・ナゴヤドーム)

 コンパクトな振りで放った藤原の打球は、中前で勢いよく弾んだ。「(待ち球は)真っすぐ一本。球も速かったので、とにかく当てようと思った」。1―2の3回1死二塁。左腕・ロメロの真ん中低めに来た151キロの直球にバットを内側から最短距離で出す「インサイドアウト」で完璧に捉え一、三塁とチャンスを拡大した。オープン戦初戦から球団の高卒新人が2戦連続で安打を放つのは54年ぶりでドラフト制後は初だ。

 さらに見せ場は続いた。3番・中村奨の左中間への打球に視線を向けると「抜けるかなと思ったので全力で走りました」と一塁のハーフウェーからホームを狙ってスタートを切った。大阪桐蔭高の「陸上部の誰よりも速い」と称された俊足。加速度を増して一気に三塁を蹴ってホームへと滑り込み、決勝点を挙げた。三塁のコーチスボックスにいた大塚外野守備走塁コーチは「スピードに乗ったら速いよ。(1軍でも)通用する。行く気が満々だから助かるよね」とスピードスターとしての素質を絶賛した。

 枚方ボーイズのチームメートでもあった、広島のドラ1・小園が一発を放ったことを聞くと「すごいですね。自分にはまだ打てない」と素直にライバルの活躍をたたえたが「連絡はしないです」と負けん気の強さものぞかせた。5日からはベテランの荻野が合流し、外野の定位置争いは一層激しくなる。対外試合14試合で打率2割9厘のルーキーは「できることを100%やって、持っている力を出していきたい」とギアアップを宣言した。(長井 毅)

 ◆ロッテの外野争い 実績のある荻野、角中は中堅と左翼のレギュラー本命。藤原は残り1枠をベテラン・清田、俊足と長打力が持ち味の岡、両打ちの加藤、社会人出身の2年目・菅野、昨季は右翼を中心に112試合に出場した平沢らと争う。三塁を守るレアードが左翼を守るプランもあり、競争は激しさを増す。黄金ルーキーは開幕1軍に向けてさらなる結果を求められる。

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