【広島】床田“新Gキラー”さえたジャイロで開幕3戦目浮上

スポーツ報知
田中広(右)に声を掛けられる好投の床田

◆オープン戦 広島4―1巨人(5日・マツダスタジアム)

 バットに空を切らせた感触に武者震いした。床田は初回先頭の吉川尚を空振り三振。続く初対決の丸も2ボールから3球連続で直球を空振りさせた。「最初が肝心というのもありますから」とニヤリ。立ち上がりから4者連続を含む6奪三振で4回4安打無失点。三塁を踏ませず、3年目左腕が胸を張った。

 丸へのラストは、この日最速タイの148キロ。ただしコースは真ん中外寄りと甘かった。それでも2年連続MVP男を翻弄。その秘密を捕手の会沢が明かした。「キレイな(球筋の)ときもあるし、ジャイロ回転するときもあるし、バラバラ。でもそれが武器だと思う」。直球が美しい直線を描くときもあれば、意図せず微妙に変化するときもある。床田も「内角球を『え~っ』て感じで見逃している打者もいました」と振り返った。

 実戦登板12イニング無失点で、開幕ローテをほぼ手中に。この日のG倒で、開幕カード巨人戦(29~31日、マツダ)で大瀬良、ジョンソンに続く3戦目を任される可能性も浮上。佐々岡投手コーチは「先の話だけど、今の段階で一番目立っている」とうなずいた。

 マツダでのプロ初登板だった17年4月19日のDeNA戦で、2回の先頭打者へ初球を投げた際に左肘を痛めた。マツダの1軍マウンドはそれ以来。「(きょうも)2回の初球がちょっと怖かったけど、不安はなくなりました」。魔球を引っ提げた床田が巨人の前に立ちはだかる。(田中 昌宏)

 ◆床田 寛樹(とこだ・ひろき)1995年3月1日、兵庫・尼崎市生まれ。24歳。小学1年から野球を始め4年から投手。大阪・箕面学園高では甲子園出場なし。中部学院大では岐阜学生リーグ通算22勝。2016年ドラフト3位で広島入団。17年にプロ初勝利を挙げるも、同年7月に左肘を手術し、昨季は1軍登板なし。1軍通算3試合で1勝1敗、防御率5.19。181センチ、85キロ。左投左打。年俸650万円。

 ◆ジャイロボール 90年代中盤に存在が指摘された“球種”。普通の直球は、ボールの進行方向に対して回転軸が垂直(タテ回転)だが、ジャイロ回転は、ライフル弾やドリルのように進行方向に回転軸が向いた横回転。空気抵抗が少ないため、初速と終速の差が小さい。また、回転軸の微妙な傾きによってシュート方向にもスライダー方向にも変化する。意図しての投球は非常に難しいとされる。

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