【侍ジャパン】吉田正、4番即満塁弾 初回「思い切り」右翼席へ弾丸ライナー

スポーツ報知
1回無死、吉田正〈34〉が先制の右越え満塁弾を放ち、(右から)上林、一塁走者・近藤、二塁走者・中村奨、三塁走者・吉川尚に迎えられる(カメラ・馬場 秀則)

◆ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本6―0メキシコ(10日・京セラドーム大阪)

 侍ジャパンが強化試合「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本VSメキシコ」の第2戦に臨み、6―0で完勝。対戦成績を1勝1敗で終えた。日本代表で初めて4番を担った吉田正が初回に満塁本塁打を放つなど、5打点の大暴れ。7投手が無失点リレーで締めた。吉川尚らが計5盗塁と機動力でも攻略。1試合5盗塁は日本代表が常設化された09年以降、最多だ。2020年の東京五輪に向けて、収穫の多い2試合となった。

 甲高い打球音が慣れ親しんだ京セラDに響いた。日本代表の4番に初めて座り、迎えた初回無死満塁。吉田正は低め146キロ直球を強振した。「打てるところに来たら、しっかり振ろうと。思い切り、いきました」。火を噴くような弾丸ライナーが右翼席にグサッ。トップ代表初アーチは前夜の敗戦ムードを払拭するグランドスラムになった。

 対応力の高さが光った。今春キャンプから、自主トレをともにする柳田(ソフトバンク)を参考にミートポイントを懐に近づけた。成果は表れ、外国人投手特有の動くボールに適応。侍ジャパンでは16年11月の強化試合・オランダ戦の鈴木(広島)以来、タイブレークを除けば15年のプレミア12の米国戦の松田(ソフトバンク)以来、4年ぶりの満塁弾だ。稲葉監督も「初見の投手でもタイミングを合わせていける。4番にいると安心感がある」と賛辞を惜しまなかった。

 25歳のオリの主砲はプロ野球選手としては173センチと小柄ながら、昨季26本塁打を記録するなど球界屈指のパワーの持ち主だ。その源となる代名詞のフルスイングは野球を始めた小1の頃から変わらない。原点は野球未経験者の父・正宏さん(60)から性格面を踏まえて、口酸っぱく言われ続けた言葉だ。「思い切って、振ればいい」―。決して恵まれた体格ではない。当時から幾度となく指導者に「その振り方では難しい」と言われ、矯正を促された。それでも、「父親がそう言ってくれていたんで」と信じる道を貫き、希代のスラッガーに成長した。

 5回には中前安打、7回にダメ押しの左犠飛。9日の初戦も先取点をたたき出す適時打を放った。2日間で計4安打6打点と存分に持ち味を見せつけた。「初めての日の丸に重みを感じました。また、このユニホームを着てプレーしたい」。目標に定める今秋のプレミア12、2020年東京五輪の代表入りへ、群雄割拠の外野争いに殴り込みをかけた。(小松 真也)

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