【ロッテ】154キロ左腕・永野、広場恐怖症との闘病明かす「死んでしまうんじゃないか」

スポーツ報知
8回に登板、1安打も無失点に抑えたロッテ・永野将司

◆オープン戦 ロッテ0―4ヤクルト(12日・ZOZOマリン)

 ロッテの2年目左腕、永野将司投手(26)が12日、不安症のひとつである「広場恐怖症」と戦っていることを公表した。オープン戦・ヤクルト戦(ZOZO)の試合後に報道陣に自ら切り出した。

 「大学(九州国際大3年)時代に本格的に乗り物に乗れなくなった。動悸(どうき)がして飛行機だったら出られなくなるんじゃないかとか、飛び降りたくなったり、このまま死んでしまうんじゃないかという恐怖心が出てくる」という症状に襲われた。社会人・ホンダの1年目に病院で受診したところ「広場恐怖症」と診断された。

 昨年2月の石垣島キャンプには薬を飲んで移動することができたが、今回は2度チャレンジしたものの、病気の影響で断念。球団からは「体調不良」としてキャンプ不参加となっていた。その後は、ホンダで練習を行い、2軍に合流。そこから1軍でチャンスをもらい、この日の登板が巡ってきた。8回から5番手で登板し、最速146キロの直球を軸に1安打、1奪三振無失点の力投を見せた。

 現在は副作用でパフォーマンスが落ちることを考慮し、投薬治療ではなくカウンセリング療法やVR(バーチャルリアリティー=仮想現実)療法で乗り物に慣れる努力を続けている。

 「この先もどうなっていくかわからないけど、しっかりと治療していきたい」と永野。同じ病気で苦しむ人々のためにも自分が活躍することで勇気を与えられたら―。そんな思いを胸に抱いてプロで生き抜く決意を示した。

 ◇広場恐怖症 通常であれば何でもないような状況に対し、過剰な恐怖や不安を持つ「不安症群」の一つ。恐怖を抱く対象で最も多いのがすぐに逃げ出すのが難しい場所や状況に置かれた時で、飛行機や高速で移動する新幹線などに乗る際にほぼ毎回恐怖や不安を誘発する。公共交通機関、広い場所、閉所を避けていることが6か月以上、持続している不安障害に含まれる精神障害。

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