【ロッテ】藤原にマリン強風の洗礼 目測誤り飛球が二塁打に

スポーツ報知
3回1死二塁、広岡の打球が強風に流され打球に追いつけず二塁打としてしまうロッテ中堅手・藤原

◆オープン戦 ロッテ5―9ヤクルト(13日・ZOZOマリン)

 ロッテのドラフト1位・藤原が、オープン戦7試合目の出場で初めて1番で起用され、6回先頭の打席で一挙5得点の猛攻の起点となる右前打を放った。一方、中堅の守備ではZOZOマリン名物の強風で、平凡な飛球を二塁打にしてしまうミスを演じるなど、本拠地は“藤原劇場”と化した。本人にとっては、収穫と反省の多い1日となった。

 次代のスピードスター候補が、リードオフマンとしての適性を改めてアピールした。5点ビハインドの6回、先頭で迎えた第3打席。ヤクルトの開幕投手に決定している小川の内角カットボールを鋭いライナーで右前へ。「真っすぐを待ちながら(カットに)反応できた。ヒットとしてはよかったと思います」。同じ球種に詰まった二飛だった前の打席の球筋をイメージしながら、バットの芯で捉えた。

 ルーキーの快打に、5回まで沈黙していた打線に火がつく。レアードの左翼フェンス直撃二塁打など5本の長短打で、一時、試合を振り出しに戻した。

 藤原にとって汚名返上の打席だった。3回1死二塁での中堅の守備。広岡が高々と打ち上げた飛球の目測を誤り、適時二塁打にしてしまうミス。試合前からスコアボードの風速計が15メートル前後を示すZOZO名物の強風が、中堅から本塁方向に吹きつけていた。先輩のアドバイスや練習での感覚から「屋根(スタンド上端)より高いのは戻るし、低いのは伸びる」と分かっていたが、「自分の確認ミス。全然前に落ちてしまった」と、予想以上の戻り方に対応できなかった。

 1番に抜てきした井口監督は「本当は最初から(打線が)つながってほしいけど」としながらも、「あの回はつながった」と、藤原の一打が起点となった猛攻を評価した。この日、安田、平沢と期待の若手2人を「打席に多く立たせたい」と2軍教育リーグに派遣したが、藤原は1軍に残し、初めてフル出場させた。守備のミスにも「ここがホームなんだから。いい経験になったでしょう」と指揮官。好プレーも珍プレーも、どちらも目立ってしまうのがスターの宿命。すべてを糧に開幕1軍への道を進む。(星野 和明)

 ◆ZOZOマリンの強風 海岸に建ち、外野後方に東京湾が広がっているZOZOマリン。海を渡る風をさえぎる障害物がないことや、陸地と海上の温度差などから、海側から強い風が吹く日が多いことで知られる。また、スタンドに跳ね返った風が投手の変化球や打者が放った飛球の軌道を変えるなどプレーへの影響も大きい。これまで同球場では昨年9月4日のロッテ・ソフトバンク戦など公式戦5試合が強風により中止となっているほか、オープン戦でも14年3月18日のロッテ・楽天戦が1回途中ノーゲームになった例がある。

 ◆藤原 恭大(ふじわら・きょうた)2000年5月6日、大阪・豊中市生まれ。18歳。大阪桐蔭高では1年夏からベンチ入り。昨夏の甲子園では根尾(中日)、柿木(日本ハム)、横川(巨人)らとともに史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。2年連続U―18侍ジャパン選出。高校通算32本塁打の長打力に俊足と強肩を併せ持つ。18年ドラフト1位でロッテ入団。181センチ、78キロ。左投左打。年俸1500万円。

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