元中日・大島康徳氏、自宅が欠陥だらけだった!がん闘病との“二重の苦悩”を告白

スポーツ報知
大島康徳氏

 中日などで活躍し日本ハム監督も務めた元プロ野球選手の大島康徳氏が(68)が15日放送のTBS系「爆報!THE フライデー」(金曜・後7時)に出演。自宅が欠陥だらけで20年以上も苦しめられてきたことを告白した。

 大島氏は2年前に大腸がんであることを公表し、現在も闘病中だが、医療関係者は欠陥住宅に住み続けたことによるストレスが発病につながった可能性も指摘する。

 現役時代から「一軒家を建てる」ことが夢だった大島氏は引退直後に家を建てることを決め、1994年5月に約5000万円をかけて、妻・奈保美さんの実家近くに2階建て、延べ床面積180平方メートルの一戸建て住宅を完成させた。ところが入居してみると冬は寒く、夏は暑くて冷暖房が効かない状態。3か月後にはトイレの水があふれだし、エアコンからも水が噴出した。さらに外壁に亀裂が見つかったほか、床の一部が腐って抜け落ちる寸前となり、玄関の壁紙をめくると柱が腐っていることも分かった。雨漏りも多発して天井が汚れ、地下収納の扉を開けるとすぐ電球にぶつかり、駐車場には水がたまって車が故障するなど、まさに「欠陥だらけ」だった。

 10年12月、息子が帰宅して部屋の電気のスイッチをつけた瞬間、天井の一部と照明が落下する事故が発生。大島氏は工務店に乗り込み大げんかに。

 欠陥住宅調査の専門家に依頼して調べたところ、柱や梁が細く、断熱材も一部が欠落していることも判明した。激怒した大島氏は「もう裁判しかない」と決意。建築から20年近くたった12年6月22日、損害賠償など約6800万円の支払いを工務店側に請求する訴訟を起こした。

 当時は日本ハムの監督だったが、球団のイメージを損ねるおそれがあると考え、裁判のことは公表しなかった。また訴訟中は、家の現状を維持しておく方が法廷で有利なため、わざと欠陥を修理しないまま住み続けたという。

 ストレスだらけの生活が続く中、16年10月下旬に大腸がんが見つかった。肝臓への転移がある「ステージ4」で、手術を受けたあとの翌年2月にブログで公表した。その後も抗がん剤による治療を続け、手足や口がしびれるなどの副作用にも苦しめられた。

 提訴から約5年半後の昨年に出た判決は、約6800万円の請求には遠く及ばない補修費用など約300万円の支払い命令。闘病を続けながら裁判でも闘い続けるのがつらいため「悔しいけど、本当に悔しいけれど」控訴はあきらめたという。

 大島氏の自宅は現在、取り壊し中で「この家を建て替える」と大島氏。ストレスから解放されたせいか、最近は「がんの悪化がほとんどみられない」そうだ。

 大島氏は1968年ドラフト3位で中日に入団。83年には本塁打王を獲得。88年に日本ハムに移籍し、90年に2000安打を達成し94年に現役を引退。通算2204安打、382本塁打で、史上2位の代打本塁打20本を記録。2000~02年に日本ハムの監督を務めた。06年の第1回WBCでは日本代表の打撃コーチとして世界一に貢献した。

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