野村克也氏、イチロー攻略の舞台裏を明かす 95年日本シリーズでマスコミ使い心理作戦

スポーツ報知
野村克也氏

 元楽天監督の野村克也氏(83)が25日放送のTBS系「S☆1」(前0時)に出演。現役を引退したマリナーズ・イチロー外野手(45)と、ヤクルト監督時代に対戦した1995年の日本シリーズ(ヤクルト―オリックス)を振り返った。

 野村氏は「俺も45歳で引退したんだけど、彼ならもう1年や2年できるんじゃないかなという思いがするんだけれども。思い出すのは日本シリーズ」とイチロー(当時オリックス)との対決を回顧した。

 95年のイチローは打率・342で首位打者となり、打点王、盗塁王、最多安打、最高出塁率も獲得した。

 日本シリーズを前に「イチローはチームの中心だから。打たせるとチームのムードも勢いも出てくるから、何とかイチローを攻略すると。そういうことで、ミーティングを終始しましたね」と徹底マークを指示。しかし、スコアラーから返ってきた答えは「攻略法は見つかりません」。もう一度分析を指令するものの、返答は「わかりません。打たれるのを覚悟してやってください」だったと明かした。

 そこで名将の頭に浮かんだのは、テレビや新聞を使って、イチローを精神的にゆさぶる心理作戦だった。テレビの取材に「封じるには、内角を攻めずしてありえない。内角を攻める。内角を活かす。内角を意識させる」と徹底した内角攻めを予告した。

 しかし、実際に指示した作戦は「外角中心の配球」。これが見事にハマり、第4戦まで16打数3安打と封じ込むことに成功。「見逃し方を見てると内角ばっかりマークしてる。実際は外角を攻めている」と話した。

 第5戦になると「(配球が)バレてね。神宮でホームランを打たれて。こらアカンわ」と本塁打を含む3打数2安打と逆襲にあったが、ヤクルトはこの試合に勝ち4勝1敗で優勝を決めた。

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