【阪神】梅野、目標はフルイニング「出たら最後までの思い強い」

スポーツ報知
色紙に「優勝」と書き入れた梅野

 阪神・梅野隆太郎捕手(27)が、スポーツ報知の単独インタビューに応じた。選手会長に就任した昨季は、自身最多の132試合に出場し、初のゴールデン・グラブ賞も獲得。矢野政権でも正捕手として、最下位からの逆襲のけん引を期待される背番号44が、師と仰ぐ城島健司氏との秘話、巨人・小林への対抗心などを本音で語った。(取材・構成=嶋田 直人)

 プロ6年目の選手会長は、矢野政権1年目の開幕目前の現状を冷静に分析している。

 「いい時と悪いときの差がちょっとね。攻撃から守備、守備から攻撃の切り替えが、すごく大事になるんじゃないかな。そういうものを作り上げていけたらもっとよくなる感じはします」

 梅野にとって初めての捕手出身の監督。19日のDeNA戦(横浜)では、4回先頭のロペスをツーストライクと追い込みながら高め直球を二塁打され、この回5失点。矢野監督から「自分の中では(選択に)ない球」と指導を受けた。

 「矢野さんが感じた部分を言ってくれる。冷静になって考えるとすごくありがたい話ですし、同じミスをしちゃいけないとプレッシャーにもなります。矢野さんは『一概には言えないけど』という言い方をしてくれる。それが正解とは言わないし、ダメだとは言わない。『そういう意図が、俺からしたら分かりづらかった』という感じで言われた。(リードの勉強は)永遠のテーマだと思います」

 ライバル視するのは2歳上の巨人・小林。盗塁阻止率は2年連続で小林がリーグ1位(18年3割4分1厘、17年3割8分)、梅野が2位(18年3割2分、17年3割7分9厘)と火花を散らしてきた。

 「企図数が違い、同じ数字で同じアウト数ではないので、率でしか見られないのですが、お互いが意識しあっていると思う。自分が1位をとっていきたい、キープしていきたい。負けないようにしたいです。(昨年ゴールデン・グラブ賞を)取ったことで周りの目も変わってくる。恥じないプレーを、と意識しています」

 同僚の俊介を介して、憧れの城島健司氏(元阪神など)と15年から毎年シーズンオフに会食してきた。正捕手を確かなものにしたことで、昨オフはアドバイスの中身も進化したという。

 「『どれだけシーズンが大変だったかわかっただろ? いろいろな経験の中で、失敗することの方が多かっただろうけど』と言われました。ジョーさんに比べたら実績もないけど、近づきたい気持ちはある。たまに(阪神の試合を)見ることがあるらしくて『あの時のあれはどうだったんだ?』とか気にしてくれているのがうれしいですね」

 数々の金言の中で、特に印象的な言葉があった。

 「『自分のいいものは突き通せ。いいものを変えようとすると悪くなることもあるし、それがあるから使ってもらえる』と。あとは『打てるように頑張れ』と言われましたね。『セ・リーグは9番がピッチャーだから(8番の)お前が何とかするぐらいの気持ちでやれ』と」

 目指すのは、その城島氏を最後に達成者がいない捕手のシーズンフルイニング出場だ。

 「もちろん、出たら最後までという思いは強い。体も強くないといけないし、その中で結果を出さないといけない。そういう意味で(フルイニングが)究極かな。目標は、キャッチャーなので、優勝しかないです。個人としては全部門でキャリアハイを残したい」

 ◆捕手のシーズンフルイニング出場 2リーグ制後では、1963年の南海・野村克也、2003年のダイエー・城島健司のみで、セ・リーグでの達成者はいない。1リーグ時代は1937年秋、38年春秋にイーグルスのハリス、44年に近畿日本・八木進が達成。

 ◆梅野 隆太郎(うめの・りゅうたろう)1991年6月17日生まれ。27歳。福岡工大城東高では甲子園出場なし。福岡大では大学日本代表の4番&主将を務めた。13年ドラフト4位で阪神入団。通算429試合で252安打、21本塁打、123打点、打率2割2分。趣味は釣り。173センチ、77キロ。右投右打。既婚。

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