【藤原義雄の南紀直送便】寒グレ終盤もまだまだ大型狙える

スポーツ報知

 寒グレもいよいよ終盤。今シーズンの南紀は好調だったのか、それとも…。今回は、ここまでの状況を振り返ってみたい。

 まず昨秋。シーズン開幕当初は各地区とも水温が高く、グレは1か所を除いてほとんど釣れなかった。その1か所とは串本袋。良型がよく釣れ、なかでも「モムシ」は9月後半から荒食いがあり、2人で35センチ以上を35尾(そのうち40センチオーバーが15尾)ということもあった。

 秋磯本番の11月に入り、串本袋に続いてやっと食い出したのが、すさみ、和深、安指、田子。他の地区は相変わらず低迷していて、特に食わなかったのが串本大島だった。

 12月は各地区で大釣りの情報が上がってくるようになったが、磯によっては極端にムラがあり、なかなか本格化しなかった。「やはり今シーズンも昨季同様、不調なのか…」という印象だった。

 今年に入り、少しお腹が膨らんできたグレが釣れ始めた。串本袋は依然、好調。また、串本大島の萩尾や須江も磯ムラはあったが食いだした。反対にすさみは時折、大釣りがあったがムラが出始めた。伊古木の「セシマ」では150~200尾なんていう釣果があった。

 寒グレシーズンまっただ中の2月は例年、お腹が膨らんだ雌が多くなり、大型が狙える時期。ただし、後半には卵を持ったグレは気難しくなる。あれだけ食っていた串本袋もムラが出始めた。

 さあ、3月だ。産卵を控えたグレはさらに釣りづらくなるが、一方で良型が荒食いするのもこの時期。今月いっぱいは十分、大釣りが期待できる。その後は大半が産卵に入って口を使わなくなるものだが、ここ数年は産卵のタイミングに個体差があり、まだまだ大型が狙える。水深があり、磯際がオーバーハングしているような地形がベスト。徹底的に際の底を攻めるべし。思わぬ大物が掛かるかも。

 全体的に絶好調とは言えなかった今シーズンの南紀だが、場所とタイミングが合えば爆発する可能性はまだある。ラストチャンスをものにして有終の美を飾ってほしい。

※毎月第1木曜に掲載

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