【藤原義雄の南紀直送便】秋磯本番直前はシマアジ狙いがお勧め

スポーツ報知

 9月の声を聞くと、南紀も朝夕が涼しくなり、日の入りが早くなる。しばらく離れていた磯釣りに無性に行きたくなるが、海の中はまだ真夏。場所によっては浮きグレが出現する地区もあるが、そこは“キマグレ”。年によって釣れたり釣れなかったりする。そこで、秋磯本番には少し早い今、食べておいしく引き味も良い、シマアジをメインに狙ってみてはどうだろうか。

 数年前までシマアジは、大きくても20センチまで。平均サイズが15センチぐらいの“餌取り”だった。しかし、5年ほど前から毎年サイズが大きくなり、今春も40~50センチという大型が釣れた。まあ、これは特別として、数はそんなに多くはなかったが35~37センチが結構、釣れた。

 通常シマアジは幼魚時代を沿岸で過ごし、30センチ前後になると外洋に出る。しかし、ここ数年は通説が当てはまらない。秋口から水温が下がる11月末頃までは27~35センチが釣れ、12月からはさらに大きくなった35~38センチが翌年3月頃まで釣れる。驚くべきは、さらに40~50センチに成長したものが4月から7月初旬まで釣れるようになってきているのだ。

 あくまで持論だが、南紀の海水温が上昇して、高水温を好むシマアジが外洋に出なくても生活できるようになったからではないだろうか。水温上昇にはいろいろと問題もあるが、これはこれでうれしい。

 具体的にどこでシマアジを狙えばいいのか。どこでも釣れるというわけではないので、実績のある地区をリストアップすると和深、安指、田子、串本袋などが有望だ。仕掛けは、おまけのグレも狙うために基本的にはグレ釣りの仕掛けでよい。私はタナを3~5ヒロと深くして、まき餌と刺し餌を離して釣る。また、ハリ上30センチに口オモリを付ける。

 今月はおいしいシマアジで楽しみ、秋磯本番の10月に期待しよう!

 ※毎月第1火曜日に掲載。

 ◆藤原 義雄(ふじわら・よしお)1950年9月20日、徳島・鳴門市生まれ。67歳。21歳からグレ釣りを始め、数々のトーナメントで活躍。「ゼロスルスル釣法」の考案者。がまかつ、マルキユーなどメーカー数社のインストラクターを長年、務める。グレ闘友会会長。和歌山県白浜町で餌・釣具店「フィッシングベース海クン」を経営。

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