「ポーの一族」で宝塚104周年幕開け!萩尾望都さん「漫画から抜け出してきたみたい」

スポーツ報知
宝塚歌劇花組「ポーの一族」の一場面。アラン(柚香光=右)の血を吸おうと近づくエドガー(明日海りお)

 宝塚歌劇花組ミュージカル「ポーの一族」が1日、兵庫・宝塚大劇場で初日を迎え、104周年のタカラヅカが華々しく開幕を告げた。

 漫画家・萩尾望都(もと)さん(68)が1972年に発表し、少女漫画史に名が刻まれた傑作の初ミュージカル化。永遠に生き永らえる不老のバンパネラ(吸血鬼)の一族に身を投じた少年エドガーを、トップスター・明日海りおが、美しく、寂しさをまといながら演じ切った。

 明日海は「1回1回、どれだけ情念を注ぎ、命をかけられるか。のめり込んで演じながら、冷静に見え方も考えて、世界観に近づけていきたい」と新年の始動作に意気込んだ。

 エドガーが一族に引き入れようとするアラン役には2番手に昇格した柚香光(ゆずか・れい)が挑んだ。明日海とともに、ラブシーンとも見まがうような、魔性と背徳の香り漂う不思議な空間を作り上げた。柚香は「2人が引かれ合うものを、お客様に感じ取っていただけるよう演じたい」と話した。

 通し稽古も見守った萩尾さんは「素晴らしかった。(出演者が)作品から抜け出してきたみたいで、こんなものを見ていいのだろうか? と思った。ドキドキしました。(漫画の)セリフに音楽が付き、感無量。恥ずかしくも、ありがたい」と褒めたたえた。

 同作を学生時代に読み、1977年の宝塚歌劇入団からずっと舞台化を夢見てきた演出家・小池修一郎氏(62)は「41年前の自分に、素晴らしいキャストで上演できるんだよ、と伝えてやりたいぐらいの気持ち」と笑顔。「ファンタジーでありながら、社会に適応できずドロップアウトする若者という普遍的な問題もえぐっている」と、作品の魅力をPRした。

 2月5日まで。東京宝塚劇場では2月16日~3月25日に上演。

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