西田敏行、特別賞に「サンキュー」つえで登壇の塩見三省とともに元気な姿…ヨコハマ映画祭

スポーツ報知
授賞式に登壇した、(左から)蒼井優、西田敏行、塩見三省

 第39回ヨコハマ映画祭が28日、横浜市・神奈川県立音楽堂で開催された。主演男優賞は「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の池松壮亮(27)、主演女優賞は「彼女がその名を知らない鳥たち」の蒼井優(32)が受賞した。

 2014年3月、脳出血で倒れ、一時活動を休養していた塩見三省(70)は「アウトレイジ 最終章」で助演男優賞を初受賞した。壇上ではつえをついていたが、一歩ずつしっかり歩き、映画ファンに元気な姿を見せた。

 同作の撮影を振り返って「俳優は作り物ではない。少し体が壊れていても人間生きていれば映画が受け入れてくれる」としみじみ。「このような賞を頂き、感無量です。同時に映画に近付いていくことへの温かいエールだと思います。精進いたします」と前を向くと、会場からは割れんばかりの拍手が起こった。

 西田敏行(70)は、塩見と同じ「アウトレイジ 最終章」で特別賞を受賞。意外にも同映画賞では初受賞のため、「サンキュー」と満面の笑みを浮かべた。

 16年4月、頸椎(けいつい)亜脱臼の手術。同作の衣装合わせには松葉づえで歩く塩見と共に、西田はつえをついて参加した。「2人ともちゃんと監督の前にたどり着けるのかと…無事着いても北野武監督があぜんとした顔をして、今思い出すと笑っちゃう」と冗談を言って会場を沸かせた。

 変幻自在のカメレオン俳優として、観客に感動と笑顔を届けた西田は芸歴50年目を迎えた。「子供の頃、土曜日にオヤジの自転車の後ろに乗って映画館で朝から晩まで映画を見ていた。いつしか自分がスクリーンのうつる側になりたいと思い、50年やっているから、こんな幸せなことありません」と目を潤ませた。

 映画への愛は今も変わらない。蒼井の主演作「彼女が―」を観賞したことを告白すると、「日本映画のレベルの高さを誇りに思う。皆さん、日本映画を愛してください!」と力強く呼びかけた。

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