藤井七段、最年少八段へ「また戦える」2期連続で竜王戦決勝トーナメント

スポーツ報知
石田直裕五段(左)との感想戦で、笑顔で対局を振り返った藤井聡太七段

 将棋の史上最年少棋士・藤井聡太七段(15)が5日、大阪市の関西将棋会館で指された第31期竜王戦5組ランキング戦決勝で、先手の石田直裕五段(29)を96手で下し、2期連続で決勝トーナメント(T)出場を決め、優勝賞金155万円を獲得した。決勝Tを勝ち進んで挑戦権を得て、今年10~12月に行われる7番勝負で羽生善治竜王(47)を倒せば、1年で四段から八段にまで昇段する快挙だ。

 デビューから無傷の快進撃で竜王戦6組を制した昨年度にも負けない勢いで、ランキング戦を2年連続V。高校に進学した今年度は、負けなしの7連勝で“夢切符”を手中にして「また、竜王戦を戦えることはうれしく思います」と穏やかな表情を見せた。

 持ち味の終盤力がさえた。寄せ合いの中盤から「斬り込む手を発見することができた」という飛車捨てで主導権を握り、自玉の危機も抱えながら、詰将棋のように王手を畳み込んで一分将棋の石田を追い込んだ。藤井とは初手合いの石田は「終盤の読みの精度がすごい。視野が広く、自分には見えない手が随所で見られ、対応できなかった」と舌を巻いた。

 七段昇段後初対局だった1日の棋王戦予選でも2期連続の決勝T出場を決めたばかり。大きな目標に掲げるタイトルへ向けた重要な局面を連続突破した。初タイトルの最短の道は、挑戦権までマジック3としている王座戦(5番勝負は9、10月)だが、竜王戦には年内の八段昇段の可能性もある。

 藤井は今年2月、いずれも最年少15歳6か月で五、六段に連続昇段。5月にはこちらも最年少記録15歳9か月での七段になった。八段昇進の条件は〈1〉七段昇段後公式戦190勝〈2〉順位戦A級昇級〈3〉竜王位1期獲得〈4〉タイトル2期獲得があるが、羽生竜王を破って〈3〉をクリアするのが最速ルート。加藤一二三・九段(78)が持つ18歳3か月での最年少八段記録更新を大幅に更新する、16歳代で快挙を目指す。

 昨年6月26日、史上最多の29連勝を達成し、日本列島に名前をとどろかせたのが昨年の竜王戦決勝T1回戦。その6日後、同2回戦で敗れ連勝は止まった。「前期の経験を生かして、さらに上を目指したい」。本戦1回戦の相手は、公式戦では過去3戦3勝と相性のよい都成竜馬五段(28)。14歳の四段が勝負の厳しさを知った“大階段”に、15歳の七段が再びアタックする。

 ◆昼うどん夜ハヤシ 持ち時間が各5時間の竜王戦予選は昼食、夕食の休憩があり、藤井七段はランチに、うどん・そば店「やまが」の「御弁当 冷うどん」(830円)をチョイス。二段重の上部がえび天、サバなどが入った彩り豊かな弁当で、下部がぶっかけの冷うどん。お吸い物も付いており、お得感たっぷりだ。ディナーは関西将棋会館1階にある洋食店「イレブン」のハヤシライス(900円)。ミニサラダ付きで、昼夜ともバランスのとれた勝負メシだった。

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