ニュースをわかりやすく…フジ系「グッディ!」の「ボード」製作舞台裏を直撃

2018年6月22日13時0分  スポーツ報知
  • 「グッディ」でボードに「めくり」を貼るスタッフ

 日常のニュースを視聴者に分かりやすく伝える情報番組。そのためにはニュースを見やすくまとめられた「ボード」の力が不可欠だ。現在起きている情報のポイントを簡潔に整理し、「めくり」などの演出で関心を引く。そこにはどれほどの力と情熱が費やされているのだろうか。スタッフが一晩かけて考えた構想も平気でボツになる。「潜入Ho!道」ではフジテレビ系「直撃LIVEグッディ!」(月~金曜・後1時45分)のボード製作の舞台裏を追った。(浦本 将樹)

 戦いは放送前日の夕方から始まっていた。記者が潜入したのは18日の放送回。編集会議は放送約5時間前の午前8時半に行われるが、その時には既にボードがパーツに分けられ、下書きができていた。会議に向け、3人のディレクターが夜通しで構想を練っていたのだ。

 番組で使うボードはスタジオに設置された縦約2・1メートル、横約1・8メートルの巨大掲示板。そこにロール紙にプリントアウトされたパーツを貼っていく。ボードには日によって9~12枚のパーツが貼られている(枚数のキリがよくない時は番組のロゴを貼ることも)。18日は急死した「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助さんの話題で9枚、レスリングの栄和人・至学館大学監督の解任劇で9枚のパーツを作る予定だった。

 だがこの日、午前8時頃に大阪で大地震が発生。被害状況によってはボードも変えるためディレクター2、3人が現地取材へ。ドン・ファンで和歌山にいた1人も大阪入りさせた。8時半の会議の時点では地震、ドン・ファン、レスリングの3つのネタを放送予定にした。

 10時を過ぎて気象庁が会見。地震の状況が分かってくるとスタッフにも緊張が走る。「誰か会見(文字に)おこしているのか?」との声も飛ぶ。当初ボードまでは作る予定がなかったが「こっちもボードにした方が」と提案するスタッフも。さらに「女の子が亡くなった」との情報が入り、内ケ崎秀行チーフプロデューサー(CP、47)は「被害は深刻だ」と判断。地震、ドン・ファンの2ネタで行くことを決め、レスリングはボツになった。

 スタッフルームでは、ディレクターらが取材をもとに資料作製ソフトでボードのパーツを更新していく。ホワイトボードには上から最新版が貼られていく。11時半の会議で改めてボードの内容が固まり、パーツのデータは美術の担当者に送られてイラストレーターで仕上げられる。

 地震とドン・ファンで計20枚近くになったパーツを全てプリントアウトするのには30分かかる。パーツが印刷される度にスタッフが丸め、フジテレビの長い渡り廊下をスタジオまで走る。遅くなってから作成した地震のパーツを印刷し始めると、時間は放送5分前に。「まだV(TRが流れる時間)がありますから」と男性スタッフ。作業はギリギリまで行う。

 スタジオに届いたパーツは裏面にノリのスプレーを噴射され、掲示板に貼られていく。間違いや言い回しを訂正する時は、訂正部分だけを新たに印刷。スタッフが美術の部屋まで走る。

 ボード演出の醍醐(だいご)味の一つが「めくり」。強調したい部分を説明する際、キャスターがめくるシールだ。「めくり」も訂正部分と同様、パーツとは別に印刷される。接着はパーツと同じスプレーで実行。だが「めくり」は、剥がしやすいように弱めに接着させる必要があり「1回、シュッと噴射する感じ」(スタッフ男性)とコツがいる。強く貼りすぎると、めくった時に下のパーツも破れるため「強くノリをつけすぎたら、一度ジーンズに貼って粘着力を弱める」スタッフもいるという。

 放送中もCMや画面が切り替わる度に、スタッフが掲示板にパーツや修正などを貼る。そして放送も無事終了。内ケ崎CPは「今日は地震の扱いの判断が難しかった」と総括する。「レスリングをやらないということは、(ボードの下書きを作った)ディレクターが一晩中頑張ったのが吹っ飛ぶということ。でもそれが生放送のせつなさでもあって、面白さなんですよね」と複雑な表情で笑う。

 そうしているうちに時間は午後4時を過ぎた。また翌19日の担当ディレクターが、話題を先読みして翌日のボードの構想を練り始める。次の戦いがまた、始まろうとしている。

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