できたくん、“工作芸人”でブレイク寸前 紙コップ芸でノッポさん目指す

スポーツ報知
発泡スチロールのだてメガネをかけ、自らの紙コップ作品をアピールするできたくん(カメラ・佐々木 清勝)

 旬のお笑いタレントにスポットを当てる「笑いのHo!石」。今回は幼児教育教材「こどもちゃれんじぽけっと」(ベネッセ)の工作ページで人気の芸人、できたくん(38)。今年5月に「ハッポゥくん」から現在の芸名に改名し、今月6日に紙コップを使って動物を作る工作本「できたくんのできできできた~」(主婦と生活社、税込み1404円)を発売。唯一無二の“工作芸人”としてブレイク目前だ。(土屋 孝裕)

 ハサミでチョキチョキ、ペンでキュッキュ…。どこにでも売っている普通の紙コップが、できたくんの手にかかると、数分でペンギンやうさぎに生まれ変わる。6日に発売する工作本「できたくんのできできできた~」には、自ら考案し、紙コップで作った44種類もの動物と作り方を掲載。付録のDVDの映像、音楽も手掛けた。

 「身近な素材で子供たちに作る楽しさを伝えたくて。ハサミを持ち始めた2~3歳のお子さんでも作れる動物や、小学校高学年でも楽しめるような動物もありますよ」と自信タップリ。試しに記者の長男(5歳)にもDVDを見せたら、すぐに夢中になってティラノサウルスを作り出し、リビングルームが紙コップでいっぱいになった。「今回は動物に絞りましたが、王冠とか建物もできます。紙コップ以外に、ストローや割り箸で作る作品のアイデアもあるんです。漫才を考える時は産みのつらさもありますが、工作はネタを考えるよりハッピーな感じで、時間を忘れます。ヒットして第2弾、第3弾と出していけたら」と夢見ている。

 幼い頃から図画工作が得意で、出身の群馬大教育学部で美術を専攻。在学中の2000年にお笑いコンビを結成しデビューしたが、04年から「高橋工房」の名前で工作芸を披露するようになり、芸人仲間の小道具も制作し始めた。

 発泡スチロール板で有名人の似顔絵を描いていく芸が話題となり12年、芸風に合わせ「ハッポゥくん」に改名。同時に13年から「こどもちゃれんじぽけっと」で「できたおにいさん」の名前でも活動を始めた。

 以前から月1回のペースで、全国の幼稚園などで工作ライブを開催。約1年前から披露している紙コップ芸は、幼児はもちろん、母親へのウケもよかった。ライブ用に作った映像と作品を所属事務所社長に見せてプレゼンし、単独では初の著書発売が決まった。

 出版を機に「子供にも分かりやすい『できたくん』にしよう」と再改名した。「本の発売ができたくんとして初めての大きな仕事。本と同時に生まれ変わる気分です。工作っていうと、家で作業をするので地味で暗いイメージもあったりしますが、すごいハッピーで華やかで楽しいっていうのを知ってほしい。今回のDVDにはラップ(の音楽)や、お笑いの要素も入れているので、工作って面白いなって思ってもらえれば」と熱弁する。

 子供に人気の工作タレントといえば、NHK教育テレビ(現Eテレ)で放送された「できるかな」(70~90年)のノッポさん(高見のっぽ、84)、後番組の「つくってあそぼ」(90~2013年)のワクワクさん(久保田雅人、56)が有名。「NHK(Eテレ)でレギュラーの工作番組を持つのが目標なんです。工作っぽい番組は今少ないんで、狙ってるんですよ」と後継者になる野望を秘めている。

 現在は独身。結婚願望はあるそうで「将来は自分の子供にも自分がアイデアした工作を試してほしいと思ってます。ただ『できたくん、できちゃった結婚』にはならないように気を付けます」。芸名を自虐ネタにしつつ、仕事でもプライベートでも、心機一転の一年にするつもりだ。

 ◆ワークショップ全国で無料開催

 工作本の発売を記念して、できたくんが全国各地を無料で訪問し、工作ワークショップを行うキャンペーン「できたくん 全国無料でパフォーマンス」を開催する。対象年齢は3歳~小学校低学年ぐらい。問い合わせは名前、希望日、連絡先、依頼内容(開催場所など)を明記の上、dekitakun@kdashstage.jpまで。

 ◆できたくん 本名・高橋和之(たかはし・かずゆき)1980年4月13日、群馬県生まれ。38歳。2000年にお笑いコンビ・Aランチを結成。04年から単独で活動を開始し12年にハッポゥくんに改名。13年には発泡スチロール大使に任命される。テレビ東京系「特捜警察ジャンポリス」(土曜・前10時)に準レギュラー出演中。小・中・高の美術教員免許を所持。169センチ、55キロ。血液型A。

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