笑点メンバーが歌丸さんしのぶ 涙こらえ収録 12日に追悼特番も

スポーツ報知
桂歌丸さんの思い出を語った「笑点」メンバー

 日本テレビ系演芸番組「笑点」(日曜・後5時半)の収録が7日、東京・水道橋の後楽園ホールで行われた。収録後に、メンバーが会見を開き、2日に慢性閉塞性肺疾患で亡くなった落語家・桂歌丸さん(享年81)をしのんだ。

 8日放送の「歌丸さんありがとう大喜利」などを収録。最年長の林家木久扇(80)は「びっくりしました。1つ違いで、目の前で冗談を言い合ったりしていたのに、(袖から)ワッと出てくるような感じがしますし、この辺を漂ってる感じで不思議な存在です。ずっといると思っていたので不思議ですね」と歌丸さんの死去を受け入れられない心境を明かした。また「歌丸師匠の名前を呼びながら大喜利をやる。不思議な感じです。悲しいのに笑っていただくのは難しい商売だなと…」と無念の思いを語った。

 三遊亭好楽(71)も「亡くなった実感がないです。天才です。解答者でもいい答えを言って、司会でもものすごかった。我々の心の中にはいつまでも歌丸師匠がいる」と話した。

 落語芸術協会で会長の歌丸さんを支えた会長代行の三遊亭小遊三(71)は「厳しいというより几帳面な方でした。背中を見て追いかけたけれど、距離が詰まらないまま、追い切れませんでした」と語った。

 三遊亭円楽(68)は、「4月下旬には虫の息で、一度はあきらめました」と歌丸さんが危篤状態だったことを明かし「奇跡の回復をみせてくれました。驚きの力でした」と様子を語った。最後に会ったのは6月20日だったという。「酸素マスクを付けたまま、会話をして、リハビリのマネをしてくださいました」。翌日に歌丸さんの代演に行くことを伝えると「借りばっかりですまないね」と言われたという。「『返してくれるんでしょうね』って言いました。でも貸しよりも頂いたものが大きい。二人会をやった数も一番多い。(先代の円楽)師匠が亡くなった後、守ってくれたのは歌丸師匠でした」と感謝の言葉を口にした。

 歌丸さんから司会の座を引き継いだ春風亭昇太(58)は「子供の頃から見てきたスターさんだったので、落語家になってもそのままで遠い存在でした。(司会を受け継ぐのも)後にやるもの嫌でした。でも『好きにやりなさいよ』と言っていただいて、その言葉がありがたいです」と感謝した。

 林家たい平(53)は「現実的に亡くなったことが信じられない。『ありがとう大喜利』をやったけれど、『悪口散々言いやがって』と(歌丸さんが袖から)出て来るんじゃないかと思って…。受け入れることができません」と神妙な面持ちだった。

 林家三平(47)は「後輩にも“さん”付けで呼んでくださる優しい先輩でした。あちらでウチの親父と一緒に、『今の三平はどうだ』と話をしてくださっているでしょう。くしゃみが出ると、歌丸師匠が先代・三平と話をしていると思う」と悼んだ。

 座布団運びの山田隆夫(61)は涙目になりながら「ちびっ子大喜利の時から47年間、面倒を見てもらって本当にありがとうございました」と語った。

 この日は、歌丸さんにちなんだ大喜利や、メンバーによる座談会を収録。8日に放送される。

 また12日に追悼特番「ミスター笑点 歌丸追悼特番」(後7時)を生放送。メンバーが生出演し、秘蔵映像とともに、歌丸さんをしのぶ2時間特番が放送される事も発表された。

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