市原悦子、「日本昔ばなし」の“相棒”常田富士男さん偲ぶ「『入れ歯になるまでやろうね』と話していた」

スポーツ報知
市原悦子

 女優の市原悦子(82)が19日、脳内出血で亡くなった俳優・常田富士男さん(享年81)を悼むコメントを発表した。市原と常田さんは、1975年から94年まで、TBS系アニメ「まんが日本昔ばなし」の語り手としてコンビを組んだ。

 「むかーし、むかしのことじゃった」の温かな語り口で親しまれた常田さん。その人柄について、市原は「見た目は近寄りがたいけれど、かわいい人でしたね。弟のような、夫のような、おじいさんのような、お兄さんのような。甘えるところは、ちょっとはにかんで甘えるし、一生懸命な時はムキになるし。お仕事するのに真剣でね」と振り返った。「そして、『日本昔ばなし』がとっても好きでした。常田さんはことさら『入れ歯になるまでやろうね』と2人で話していた」

 収録前にプロデューサー、演出家と常田さんと4人で40分ほど団欒(だんらん)するのが楽しみだったという。「常田さんは昔話の世界に生きていたような人だった。おうちには猿はいるし、犬はいるし、猫がいるしね。ニワトリはいるし、蛇がいるし、いろんな動物が小高い木の間に生きている」と、知られざる“ライフスタイル”の一端を明かした。

 団欒の中で、常田さんはいくつもの興味深い話を披露したという。「撮影所で乗り物に乗って事故を起こすと、同じ時間に家の庭の木から猿が落ちて死んだ。『僕の身代わりになってくれた』って言ってました。そしてケガをしないで済んだ、と。なんか偶然かもしれないけど、常田さんには何かが取りついたようなおじいいさんでしたね」

 劇中の「歌」に関しては「何度も何度もダメ出しが出れば、繰り返し録音しました。どう歌ったのか、音符になりゃしないような2人のアンサンブル。でたらめの勝手な歌。それが評判になって、作家の先生が『毎回1曲歌を歌え』ってなりました。とってもうれしい思い出です」と懐かしんだ。

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