常田富士男さん、最後の仕事は昨年7月の演劇祭…「まんが日本昔ばなし」語り手が逝く

スポーツ報知
「まんが日本昔ばなし」の収録に臨む常田富士男さんと市原悦子(1987年8月頃撮影)

 TBS系アニメ番組「まんが日本昔ばなし」の語り手を長年務めていた俳優、声優の常田富士男(ときた・ふじお、本名同じ)さんが18日夜、脳内出血のため東京都内の病院で死去した。81歳だった。通夜は21日、葬儀は22日に近親者のみで執り行う予定。

 19日、取材に応じた孫の望月優さん(37)によると、常田さんは3年前に脳内出血で倒れ、約1年間にわたり入院。日常生活を送れるまでに回復したが、今年2月18日、再び脳内出血で緊急搬送された。状態は安定していたが、18日に容体が急変。最期は妻、長男夫婦、長女ら家族にみとられ、息を引き取ったという。昨年7月に自宅近くの西東京市のホールでの演劇祭で語りを披露したのが最後の仕事となった。

 長野・上木島村(現・木島平村)生まれ。劇団民藝の養成所を経て、69年に米倉斉加年さん(14年死去)らと劇団を旗揚げし、舞台俳優として活躍。「赤ひげ」(黒澤明監督)や「楢山節考」(今村昌平監督)などにも出演した。75年に始まった「まんが日本昔ばなし」では、市原悦子(82)と約20年間ナレーションを担当。「むか~しむかしのことじゃった…」で始まる味わいある口調で、一人何役も演じ分けた。近年は、木島平村での村芝居の指導をライフワークとしていたという。

 ◆常田 富士男(ときた・ふじお)1937年1月30日、長野県下高井郡上木島村(現・木島平村)生まれ。民藝の養成所を経て、60年代から俳優としてNHKのドラマ「バス通り裏」などに出演。日本テレビ系「巨泉・前武のゲバゲバ90分!」ではリポーターとして活躍。声優としても劇場版アニメ「天空の城ラピュタ」のポムじいさん役を演じており「小鬼がおる」の名ぜりふを残した。

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