SHISHAMO、悲願の初地元ライブが逆走台風で中止「悔しいけど安全が一番」

スポーツ報知
無念の中止となったが、再び等々力陸上競技場でのライブ開催を誓ったSHISHAMOの(左から)松岡彩、宮崎朝子、吉川美冴貴

 台風12号の影響で、女性3人組バンド・SHISHAMOは28日、川崎市の等々力陸上競技場で予定していた初の単独スタジアムライブを中止した。地元での野外凱旋公演が中止になった3人は涙を流した。異例の進路をたどる台風により、各地のイベントは大きな打撃を受けた。

 念願だったスタジアム公演は、直前になって泡と消えた。天気に逆らうことはできず、中止を伝えられた3人は泣き崩れた。

 ギリギリまで協議を重ねたが、この日午前、気象庁から川崎市に暴風波浪警報が発令されたため、来場者の安全を最優先に考え、中止の決断を下した。ドラムの吉川美冴貴(みさき、23)は公式ツイッターで「直前の発表になってしまい、申し訳ありません」と謝罪。「本当に本当に悲しいです。悔しいです。けれど、私たちにとっては皆さんの安全が一番大切。会場まで足を運んで下さった皆さんが、無事に帰れることを願っています」とつづった。

 SHISHAMOは昨年2月、川崎市役所を表敬訪問し、「等々力陸上競技場でライブをするのが夢」と告白。熱い思いを知った市側と調整を進めてきた。ホームスタジアムとするサッカーJ1・川崎フロンターレの理解、協力も得られたことから、昨年9月、1967年の開場以来初となる同会場でのライブ開催が決定。1年半以上をかけたプロジェクトだった。今年は夏フェスの出演を控え、このライブに集中。7月中旬には地元商店街やスタジアム近隣住民の民家、アパートを1軒、1軒訪ね、最後のお願いをしていた。

 2010年、川崎総合科学高の軽音楽部で「柳葉魚(ししゃも)」(当時)を結成した。高校卒業後も同市内で活動を続け、昨年、NTTドコモのCM曲「明日も」に起用され、ブレイク。年末のNHK紅白歌合戦に初出場した。

 決断から数時間がたち、ボーカルの宮崎朝子(23)は現実を受け止めた。「中止が決まった時は何も考えられなかったですが、会場まで来てくれたお客さんが楽しみにしてくれている姿、私たちのために頑張ってくれたスタッフさんの姿を見て、もう一度、等々力競技場でやりたいと思いました」。この悔しさを、必ず晴らすつもりだ。

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