松たか子、「Last Letter」で岩井俊二監督と20年ぶりタッグ!

スポーツ報知
来年公開の映画「Last Letter」(岩井俊二監督・原作・脚本)の出演者(上段左から)松たか子、広瀬すず(中段同)神木隆之介、福山雅治(下段同)水越けいこ、森七菜、庵野秀明、小室等

 女優の松たか子(41)が、岩井俊二監督・原作・脚本のラブストーリー「Last Letter」で4年ぶりに映画主演することが2日、分かった。

 岩井監督とは初主演映画「四月物語」(98年)以来20年ぶりのタッグ。岩井監督の故郷・宮城県内を舞台に、手紙の行き違いをきっかけに始まる2つの世代の恋愛と、心の再生、成長を描く。「告白」「君の名は。」などのヒット作を手掛けた企画・プロデュースの川村元気氏は「岩井俊二の集大成。キャリアのベスト盤になる」と自信を見せた。来年公開。

 松が挑むのは、ある夏休みの間に起きた世代を超えた手紙物語。岩井監督が3年ほど前から温めてきた企画で、ラブレターの行き違いから起こる“王道ラブストーリー”になるという。

 久々のタッグに「新しい方と出会うことも面白いことではありますが、一度ご一緒した方に声をかけてもらえると、『嫌われてはいなかったのかな』とも思ったりします(笑い)」とおちゃめに回答。「時間はたっているので、『今』の仕事になるよう、一生懸命頑張りたいと思っています。だいぶ大人になって、岩井さんとお仕事できる楽しみが今回の役にはあると思っています。この作品には、切ない気持ちみたいなものが溢(あふ)れていますが、決して、岩井さんがそれだけを思っているのではないのかも、とも思います。回想シーンが『今』のように描かれていますので、うまくつながっていくといいな。緊張したまま終わるのかなって思いますが、それでもいいかなって思っています(笑い)」とコメントした。

 演じるのは、姉・未咲の死を伝えるため、同窓会に参加した主婦・岸辺野裕里。姉と間違われたまま壇上でスピーチし、その場をやり過ごしたことから思わぬ事態に発展。裕里は未咲になりきったまま、自身の初恋相手で、姉との再会を願って同窓会に参加した小説家・乙坂鏡史郎(福山雅治)と連絡先を交換してしまう。

 岩井監督は「SNSでやり取りできてしまうこの時代にあって、手紙を使った物語は不可能だと思っていましたが、それを可能にするアイデアを思い付いてしまった所から構想がスタートした」と説明。裕里からの手紙を、未咲からだと勘違いしたままの鏡史郎は、卒業アルバムを引っ張り出し、未咲の実家に返信するが、そこで暮らすのは娘の鮎美(広瀬すず)。亡き母宛てに立て続けに送られてくる手紙に、鮎美もまた、返事を書き、文通を心待ちにするようになっていく―。

 川村氏は「とにかく脚本が面白い。ラブレターの誤配送にギミック(仕掛け)がある。三角文通の面白さがある」と指摘。中山美穂、豊川悦司出演の岩井監督の代表作「Love Letter」(95年)に対するアンサーのような作品にもなり、随所にオマージュが盛り込まれていくという。

 岩井監督から「この役は福山雅治しかいない」と熱望され、福山は岩井組に初参加する。「唯一無二の美しさで描かれる岩井監督作品への初参加、そして、松さんとは、およそ20年ぶりにご一緒させていただけること、それぞれの出会いにとても興奮しています。監督からオファーをいただいた役柄は、監督自身のドキュメントを色濃く反映しているキャラクターだと感じています。その役を、監督の故郷である夏の仙台で撮る。岩井監督が平成最後の夏に『Last Letter』という作品を撮られることの意味、そして、その現場に立ち会えることの幸運を、全身で感じながら撮影に臨ませていただきます」と意気込みを語った。

 〇…広瀬は未咲の高校生時代(回想シーン)との一人二役に挑戦。「岩井さんの作られる映画の空気が大好き。カメラの前で感じられた空気、温度を大切に、ウソなく演じられるよう頑張ります」と意気込む。鏡史郎の高校生時代を演じるのは神木隆之介(25)。「岩井監督の世界観の中で精いっぱい生きたい。憧れでもある福山雅治さんの学生時代を演じさせていただく。うれしさとプレッシャーでいっぱいですが、丁寧に演じたい」と気合十分だ。

 〇…音楽は「スワロウテイル」「リリイ・シュシュのすべて」など多くの岩井作品とタッグを組んできた小林武史氏(59)が担当する。個性派が脇を固め、アニメ映画「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明(58)が裕里の夫で漫画家・岸辺野宗二郎役を、シンガー・ソングライターの水越けいこ(64)が裕里の義母・岸辺野昭子役を、歌手の小室等(74)が、昭子の学生時代の教師・波戸場正三役を演じる。

 〇…松ふんする裕里の娘・颯香役には、大分在住の女優・森七菜(なな、16)が100人以上のオーディションから抜てきされた。川村氏は「自信のある新人ですね。岩井監督が『この子しかいない』と選んだのが彼女だった。僕も、15歳の時の広瀬すずに会っていますが、それ以来の素晴らしい(才能)」と太鼓判を押す。こちらも高校生時代の裕里役との一人二役に挑戦。新人ならではのみずみずしさで作品を彩っていく。

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