内村航平、「とんでもない技も出てくる!」体操漫画「THE SHOWMAN」監修

スポーツ報知
自身が監修した漫画の発売イベントで作品を掲げる内村航平

 体操の2016年リオ五輪個人&団体金メダリスト・内村航平(29)=リンガーハット=がこのほど、漫画の監修に挑戦し、話題となっている。

 自身が幼い頃、何度も読み返したという名作体操漫画「ガンバ!Fly high」の作者・菊田洋之氏とタッグを組み、「THE SHOWMAN」を制作。少年サンデーS(小学館)で今年の2月号から連載がスタートし、7月には単行本も発売された。2020年東京五輪まであと2年。五輪競技をテーマにした、ほかの漫画についても探ってみた―。

 かつて内村も愛読したという「ガンバ!Fly high」は、1984年ロサンゼルス五輪の金メダリスト・森末慎二氏が原作を手がけたことでも知られる名作漫画だ。その作画者・菊田洋之氏が、今度は内村航平とタッグを組んだのが、新たに発表された「THE SHOWMAN(ザ・ショーマン)」。内村が監修として携わる同作品は「体操次世代プロジェクト」と題した若手発掘の強化合宿に招集された中高生たちが、東京五輪を目指す物語となっている。

 この作品の発売イベントに参加した内村は「夢のよう」と喜びを語っている。「『ガンバ!Fly high』は小さい頃、読んですごく面白かったし、体操の面白さを教えてくれた」。そんな憧れの作者との協力作品。自身初の試みに「(僕も)面白くできるのかプレッシャーもあるけど、僕にしか出せないところを出していきたい」と意気込んでいた。

 内村ならではの夢が詰まった作品となっている。「とんでもない技も出てくる。今後は(自分が)やってみたい技も入れていきたい。漫画には漫画でしか出せない夢もある。アイデアはかなりある」。また、選手同士の会話や、合宿中の描写が細かく、選手の心境もリアルに描かれている。アスリートならではの、内村がこだわりを持った部分。「練習や試合での気持ちなど、メディアには出てない部分、そういうところも描いていきたい」と話していた。

 世界トップクラスに位置する体操日本。男子団体総合は16年リオ五輪金メダル。男子個人総合では12年ロンドン、リオ五輪2冠で、世界選手権でも6回の優勝を誇る内村をはじめ、床運動で絶対的強さを誇り、17年世界選手権でも王者となった白井健三(22)=日体大=、そして4月の全日本選手権で内村、白井を上回り、史上最年少Vを果たした谷川翔(19)=順大=ら若手の新星も台頭し、層が厚い。女子でも17年世界選手権種目別床運動で村上茉愛(まい、22)=日体大=が日本女子63年ぶりの金メダルを獲得するなど、東京五輪が近づくにつれ勢いが増してきている。

 作品に登場するキャラクターには、白井や内村がモデルになったような選手も登場しており、さらに歴代の体操選手らが登場する可能性もある。作品としての面白さだけではなく、技の解説も丁寧に書かれており、分かりやすい。現役選手の内村のアドバイスを参考に描かれた絵は、技の際の手の位置やフォームも細部までこだわっている。これを読んで、さらに何年後かの五輪を目指す選手が出てくるかもしれない。

 スポーツ漫画といえば、野球やサッカーが定番だが、五輪競技をテーマにした漫画作品には、ほかにもさまざまある。変わり種も含めて紹介する。20年東京五輪では、これまで目にする機会の少なかったスポーツや、日本のトップアスリート、世界のスター選手を生で見ることができるチャンス。スポーツ漫画を読み、競技の知識を学び、ルールを理解し、面白さ、魅力を知ることで東京五輪もより一層、楽しむことができるだろう。

 スポーツクライミング

 東京五輪から新種目に採用された壁などを登る競技を題材にした「いわかける!」(講談社)は対戦パズルゲームでその名を世界にとどろかせた女子高生が引きこもり卒業を目指し、競技に熱中していく。運動が苦手な人でも競技ができるという姿を描いておりスポーツクライミングそのものの楽しさを引き出している。

 バドミントン

 「はねバド!」(講談社)は、とある高校の女子部がインターハイ出場を目指す様子が描かれている。運動神経抜群ながら、競技と向き合おうとしない少女、日々練習に明け暮れる努力家の部員など、さまざまな思いを背負った人物が登場し、感情移入しながら読み進めてしまう。

 バレーボール

 「神様のバレー」(芳文社)は相手チームを分析し、ベンチ外から監督に作戦を指示する天才アナリストが弱小バレー部の監督に就任し、チームを全国優勝に導いていく物語。選手とはまた違った視点からバレーボールを知ることができる。

 ハンドボール

 「送球ボーイズ」(小学館)はハンドボールが盛んな富山県氷見市が舞台。長らく補欠部員だった主人公や、東京からやってきた転校生、先輩部員らと共に強豪復活に向け、インターハイ出場を狙う。ハンドボールの認知度を広げたいという作者の熱い思いも込められている。

 バスケットボール

 「あひるの空」(講談社)は、身長149センチと小柄な主人公が高校のバスケ部で成長した姿を描く。「黒子のバスケ」(集英社)は、非常に影の薄い男子部員が全国優勝を目指す。どちらも競技経験がない人にも人気が高い。

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