紅ゆずる、13日からの台湾プレ公演2作品に大張り切り!

スポーツ報知
キセルを手に、斜に構えてたたずむリンセツア(紅ゆずる)

 宝塚歌劇が10、11月に、3年ぶり3回目の台湾公演を行う。演目は星組の「Thunderbolt Fantasy(サンダーボルトファンタジー)東離劍遊紀(とうりけんゆうき)」と「Killer Rouge/星秀★煌紅(アメイジングスター・キラールージュ)」。そのプレ公演が大阪に続き、13~24日に東京・日本青年館ホールで上演。星組トップスター・紅ゆずるは「台湾の方に『本拠地で見てみたい』と思っていただけるチャンス。思いっきり爪痕を残したい」と張り切っている。(筒井 政也)

 台湾での宝塚公演は2015年の花組以来だが、紅は星組2番手としての13年の初上陸から5年ぶり。「また行きたかったんです。基本的に海外が苦手なんですが、人がすごく温かくて」と笑顔をのぞかせる。

 だが、自身の役柄は「原作では、温かみのない冷酷人間」。「Thunder―」は現地で「布袋劇(プータイシー)」と呼ばれ、16年にテレビ放送された人形劇の舞台化。クールな大怪盗・凜雪鴉(リンセツア)を演じる。「自分の範ちゅうにない、新しいものをやりたかった」という、これまでにない挑戦的な役だ。

 幻の最強剣「天刑剣(てんぎょうけん)」をめぐる物語。他の登場人物たちが欲望むき出しのなか、リンセツアは自分の手を汚さず、キセル片手に、ひょうひょうと高みの見物を楽しむ。

 「腹黒い悪党の鼻をへし折るのが趣味。どんだけ性格、曲がっとんねん!と思いますが(笑い)、裏を返せばヒーローかな。この人のことをもうちょっと知りたい、という謎めいた存在でいたい」。いわゆる傾奇者(かぶきもの)。登場人物や剣の名前が難しくて覚えにくく、物語を追うのが大変ではあるが、そこも歌舞伎と通じるか。

 それだけに「お芝居で見せるというより、一場面ごとに印象づけたい」。2番手・礼真琴が“チャラ男”ケンサンウン役でコメディーリリーフを務めて、3番手・七海ひろきが物語の案内人・ショウフカンを冷静に演じ、舞台がまとまっていく。言葉の壁を越えるように、各キャラも濃さを強調。「コスチュームの星組」という表現が思い起こされた。「なかなかない世界観。宝塚はこういうこともするんだ!という部分をお見せしたい」と腕をまくる。

多彩に変身 「Thunder―」の紅は衣装一着のみだが、ショーでは多彩に変身。「台湾では早変わりで着替える場所がなく、もめています」と苦笑するが、日本と変わらぬエネルギッシュな舞台を披露するつもり。「台湾の方が宝塚に行きたい、と思っていただくために、私たちはそれ以上の強い思いを持っていかなければ。みんなで乗り込んで、爆発させよう!」。日台の架け橋はさらに強化されそうだ。

 ◆紅 ゆずる(くれない・ゆずる)8月17日生まれ。大阪府大阪市出身。2002年4月「プラハの春」で初舞台。88期生。星組一筋で、16年11月に星組トップスターに就任。次回大劇場作は「霧深きエルベのほとり」「ESTRELLAS(エストレージャス)~星たち~」。身長173センチ。愛称「さゆみ」「さゆちゃん」「ゆずるん」「べに子」。

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