柳ゆり菜、熱演「全部、なにも隠さずやった…」 映画「純平、考え直せ」公開中!

スポーツ報知
「時々、純平に会いたくなってしまう。歌舞伎町を歩くと『いないかなあ』って探してしまいます」と語る柳ゆり菜(カメラ・森田 俊弥)

 グラビアタレントとしても活動する女優の柳ゆり菜(24)の、映画「純平、考え直せ」(森岡利行監督、公開中)での熱演が話題を呼んでいる。新宿・歌舞伎町のチンピラに一目ぼれするヒロイン役。劇中ではロングヘアに自らカミソリを入れ、40センチ以上短くして臨むベリーショート姿や、一糸まとわぬラブシーンなど果敢に挑んだ。覚悟の演技を振り返り、柳は「ここからがスタート」と女優人生での飛躍を誓った。

 柳が演じたのは、退屈な日々を過ごしている不動産屋のOL・加奈。ひょんなことから野村周平(24)演じるチンピラの純平と恋に落ち、鉄砲玉として運命の日を迎えるまでの刹那的な3日間を2人きりで駆け抜けていく。

 撮影は2年前。「脚本を読んだ時に『やらない』という選択肢はありませんでした」と覚悟を語る。ちょうど演技の仕事が増え始め、自分のなかで無我夢中でもがいていた時期。「全部、なにも隠さずやったなっていうのはありますね。正直、今見ると(芝居が)粗いなというのもある。でもその時の自分の汚い感情だったり、貪欲な気持ちだったり…。そういうのを隠そうとせずやれた。生半可な気持ちで臨んだんじゃないというのは伝えていければ」と振り返る。

 劇中では自慢のロングヘアを切られるシーンもあった。「赤ちゃん以来」というベリーショートだったが「もともとは丸坊主って言われていたんですよ。スケジュールの関係で結局ショートになったので、個人的にはややマイルドになったかなって」とサラリ。「耳の近くでジョリ、ジョリと音が聞こえたのは衝撃でした。でも決定稿の最後の最後で、切られた後に自分でカミソリを入れて整えるシーンが追加された。純平を愛した加奈の魅力が出ていて、昔の自分と決別するシーンでもあった。ステキな女の子にしてくれてよかったと思います」

 濃厚なラブシーンにも迷いはなかった。「3日間の話。この2人は短い瞬間で共鳴し合って、愛し合う段階だから、その愛を確かめ合う行為だという、とっても必要なシーンだと思ってました。ぬれ場も、髪を切られることも全てが必要だった。そこに対してやりたくないと言う気持ち、懸念はありませんでした」

 一方で、笑顔の似合う清らかなキャラクターの柳が“脱ぐ”ことを憂う人たちもいた。「『今のゆり菜にもったいない』と言われたこともあった。でも、今の私の心と体でぶつかることに、タレントとしての時期とか関係ないと思った事務所の人と、これを覚悟をもってやろうと決めた時点で、向かい合っている。誰が何を言おうと平気って思いはあります」と、自分の選択に誇りを持っている。

 柳にとっても青春だった撮影の日々。「終わったあとも感極まって、道端でしゃがみこんで泣いたり、夜中に喪失感を感じたり…。本気だったんだと思います」。作品との出会いが、自らの女優人生で進むべき道を指し示してくれた。「愛がある人たちが作ってくれた作品。愛に触れたからこそ変わった部分もすごくあると思う。この作品をやったから一皮むけた、ではなく、やったからこそ『さあ、私どうする?』みたいな。自問自答していく日々が始まったんだと思っています」。葛藤しながら前進していくことが、柳にとっての女優魂なのだ。

 柳は「私は足りないものばかり」と自分自身を評する。だからこそ「何かが欠けている人にとって哲学になる作品に挑戦したい」のだという。「昔から、花壇に咲いているキレイな花より『なんでここで咲いちゃったの?』みたいな花にすごく引かれる。うまく生きられなかったり、汚かったり、欠けている人に寄り添えるところで表現の幅を広げていきたい」。演技を通して人間の弱さや迷いをすくい取れる存在になることを誓った。

 ◆柳 ゆり菜 (やなぎ・ゆりな)
1994年4月19日、大阪府生まれ。24歳。13年「smart Boys&Girlfriend」オーディションで特別賞を受賞し、同年「週刊ヤングマガジン」の表紙グラビアでデビュー。14年、NHK連続テレビ小説「マッサン」のヌードモデル役で話題に。出演待機作に映画「ここは退屈迎えに来て」(10月19日公開)など。身長165センチ。

 ◆「純平、考え直せ」あらすじ
 新宿・歌舞伎町のチンピラ、純平(野村)は対立する組の幹部の命を狙う「鉄砲玉」の打診を受け、一夜をともにしたOLの加奈(柳)につい情報を漏らす。やがて本気で純平に恋をした加奈はSNSで相談するが、忠告や無責任な声援がネット上に飛び交う。2人の刹那的な3日間の行方は―。R15+。95分。

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