三遊亭円楽、初期肺がん「退院後すぐに帰って参ります」

スポーツ報知
初期の肺がんを公表した三遊亭円楽。高座終了後は足早に立ち去った

 落語家の三遊亭円楽(68)が初期の肺がんを患っていることが28日、明らかになった。所属事務所の公式サイトを通じて発表した。

 日本テレビ系演芸番組「笑点」(日曜・後5時半)でもおなじみの「楽さん」が、がんを患っていた。検査の結果、肺がんは初期のもの。主治医の判断で手術を受けることも明らかにした。「笑点」の収録がない10月4日から8日間を治療期間に充て、期間中に手術を行う。

 所属事務所によると、円楽は10月3日に宮城・蔵王町で予定している林家たい平(53)との二人会まで仕事を続け、4日以降の期間内に予定されていた公演は全て休演し、代演を立てて予定通り開催される。「笑点」は次回収録が10月13日を予定しているため、出演の変更はない。順調にいけば、同12日に神奈川・横浜にぎわい座の独演会で復帰する意向だ。

 病状を公表した後の円楽は28日夜、東京・新宿末広亭の「春馬改メ三遊亭圓雀襲名披露興行」に出演した。

 青灰色の和服で登場すると、マクラで開口一番、声のトーンは低いながらも「病気だけど元気ですよ~」と客席を笑わせた。続けて「世間が騒がしいですけど、大丈夫です」と観客に語り掛け「持ち時間だけやってスッと帰りたいと思いますけど、皆さんはずっといて下さい」とお願いした。

 古典の演目「町内の若い衆」を始めると、声がややかすれ気味に聞こえる時もあったが、いつも通りに情感たっぷりな語り口で約10分間の高座を勤め上げた。

 直後に会場を出る際は、目深にハットをかぶり、マスクで口元を覆った状態で退出。関係者に守られる形で問い掛けには応じなかった。代わりに、集まった約30人の報道陣に対応した弟子の三遊亭楽生(41)によると、治療に専念するため取材に応じる予定はないという。

 円楽はたばこを吸わない。公表の文書には、早期復帰に向け「根治を目指して治療し、皆様のもとへは退院後すぐに帰って参ります。これまでと変わらず、毎日お仕事させていただきます」との言葉を寄せている。

 ◆三遊亭 円楽(さんゆうてい・えんらく)本名・会泰通(あい・やすみち)。1950年2月8日、東京・両国生まれ。68歳。5代目円楽にスカウトされ、70年4月に入門し「楽太郎」。76年に二ツ目昇進。77年から日テレ系「笑点」の大喜利メンバーになる。81年、真打ちに昇進。2010年3月、6代目円楽を襲名した。

 ◆肺がんとは

 肺胞や気管支や細胞が何らかの原因でがん化する病気。病状の進行すると血痰(けったん)や発熱、呼吸困難、胸痛などの呼吸器症状が表れるが、初期ではほとんど無症状のため、検査によって発見されるケースが多い。40代後半から罹患(りかん)率が増加し、喫煙者は非喫煙者と比べて男性で4.4倍、女性で2.8倍と罹患率が高くなる。今月、国立がん研究センターが発表した「3年後生存率」はステージ1(初期)で88.0%、同2で59.4%、同3で33.6%、同4で11.8%となっている。

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