「積木くずし」穂積隆信さん、死去 胆のうがん87歳

スポーツ報知
穂積隆信さん

 非行に走った実娘との日々を描いたノンフィクション「積木くずし~親と子の二百日戦争~」(桐原書店)の著者で、俳優の穂積隆信(ほづみ・たかのぶ、本名・鈴木隆信=すずき・たかのぶ)さんが19日未明、胆のうがんのため神奈川県内の病院で亡くなったことが分かった。87歳だった。所属事務所が明らかにした。

 所属事務所によると、体調を崩し8月に病院に行ったところ、黄だんの症状が出て、胆のうがんであることが判明、入院していた。穂積さんは生前、「(遺体は)献体に回してほしい」と希望していたという。葬儀・告別式は未定。

 静岡県出身。1953年に俳優座養成所を卒業し、59年に「にあんちゃん」で映画デビュー。悪役やとぼけた役もこなすバイプレーヤーとして映画、ドラマに出演し、洋画の吹き替えでも活躍した。近年も定期的に活動しており、今年2月には東京・三越劇場での舞台にも出演していた。

 1982年、当時中学生だった実娘の由香里さん(03年死去、享年35)が不良少女となり、非行から立ち直らせるまでの葛藤の日々を描いた「積木くずし―」は280万部の大ベストセラーに。当時深刻な問題となっていた10代の非行に一石を投じる作品となった。翌年にはTBS系で連続ドラマ化され、穂積さん役を前田吟(74)が、由香里さん役を高部知子(51)が演じ、最終回の視聴率は45・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。同年11月に映画化もされ、社会現象となった。

 「積木くずし」は続編も執筆され、穂積さんも教育評論家として一躍時の人となったが、金銭トラブルなどで多額の負債を抱え、妻とも87年に離婚。93年に再婚した。穂積さんは2012年に、後日談を含めた「積木くずし 最終章」を執筆。同11月にフジテレビ系でスペシャルドラマ化された際には穂積さん本人も特別出演していた。

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