坂本冬美、妹弟子のマルシアと初デュエット…亡き恩師の生誕80周年記念カバーアルバムに収録

スポーツ報知
レコーディングに臨んだ坂本冬美(左)、マルシア

 歌手の坂本冬美(51)が、亡き恩師の作曲家・猪俣公章氏が手がけたヒット曲「大阪ラプソディー」(1976年)を、同じ猪俣門下で妹弟子のマルシア(49)と初デュエットしたことが22日、分かった。同曲は、猪俣氏の生誕80周年を記念した、坂本のカバーアルバム「ENKA3~偲歌(さいか)~」(12月5日発売)に収録される。

 「猪俣先生が喜んでくれることは何か―」。「あばれ太鼓」「祝い酒」などの楽曲で成功へと導いてくれた恩師のために、坂本が出した答えは、内弟子仲間とのデュエットだった。この曲は海原千里・万里(現・芦川百々子、上沼恵美子姉妹)が歌い、ヒット。大阪を舞台にした、オトナの男女の恋を描いた作品だ。42年の時を経て、現代版にアレンジ。「一緒に歌わせてほしい」とマルシアにラブコールを送り、快諾された。

 2人で歌うのは初めてだったが、息はピッタリ。坂本は「マルシアさんがデビューして30年、やっと猪俣門下の姉妹弟子のデュエットが実現しました。きっと天国の先生も、喜んで下さっていると思います」と感無量だ。

 猪俣氏が作曲した「ふりむけばヨコハマ」(89年)で新人賞を総なめにしたマルシア。坂本とのデュエットに「私にとって一生の宝物となりました。レコーディング当日、ブースの中で向き合いながら歌声を重ねていると、心地良いゆりかごに揺られているような感覚になり、仲の良い本当の姉妹のような気分で歌うことができました」。来年2月19日にデビュー30周年ライブ(ビルボードライブ東京)を控えるが、坂本がゲストとして出演予定。「そのステージで、一緒に『大阪ラプソディー』を歌い、天国の猪俣先生にも2人の歌声を届けられたらと思っています」とコメントした。

 同アルバムは演歌の名曲をカバーする「ENKA」シリーズの第3弾。「港町ブルース」「空港」「君こそわが命」など、猪俣氏が手掛けた全10曲が収録される。

 ◆猪俣 公章(いのまた・こうしょう)1938年4月11日、福島県生まれ。日大芸術学部音楽科卒業。古賀政男氏に師事し作曲家を目指す。66年、ビクター専属となり森進一のデビュー曲「女のためいき」が大ヒット。主な代表曲は五木ひろしの「千曲川」(75年)、坂本冬美の「あばれ太鼓」(87年)など。生涯で2000曲以上手がけた。93年、55歳の若さで永眠。

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