歌丸さん追悼落語会が地元・横浜で 歌春ら弟子が勢ぞろい

スポーツ報知
桂歌丸追悼落語会で座談を行った(左から)江戸家まねき猫、桂歌春、桂歌助、桂枝太郎、桂文治、春風亭昇市

 7月に亡くなった落語家・桂歌丸さんをしのぶ「桂歌丸追悼落語会」が23日、横浜・吉野町市民プラザで行われた。

 歌丸さんは同会場がオープンした1989年から毎年欠かさずに独演会を行ってきた。今年1月にも日程を決め「ねずみ」をやるとネタ出しまでしていたという。今回は「追悼落語会」として、一門弟子の桂歌春(69)、桂歌助(56)、桂枝太郎(41)のほか、桂文治(51)、江戸家まねき猫(50)、春風亭昇市(32)のゆかりのある演者が出演した。

 開演前には歌丸さんが同所で演じた「つる」の映像が流され、終演後にスタスタ歩く姿を見た出演者はびっくり。その後の座談会では総領弟子・歌春が「歌丸は5年前まで(趣味の)渓流釣りをやっていた。利根川の源流まで行っていた」とエピソードを紹介。最後の弟子の枝太郎は「2日前に夢に出てきて『俺は落語をやりたいのに体がない。お前は落語が出来るのに下手だ』と言われました」と、夢の中でも小言をくったことを明かした。

 文治は歌丸さんの7月の最後の高座での「小間物屋政談」の出来が素晴らしかったことを挙げ「最後の気力だったのでしょうか」と話した。まねき猫は「“ねずみ”をやる予定だったので、今日は“猫”が来ました」とチャーミングに話した。昇市は、歌丸さんの車いすを押した最後の前座だったと紹介され「お小遣いの渡し方がきれいでした。私だけに分かるように渡してくださいました」とさりげない気遣いを語った。

 歌助は昨年の宮城・松島の瑞巌寺での落語会で“かばん持ち”をした思い出などを語り、「歌丸の独演会の後はいつも踊っていました」と「そば清」を演じた後に、踊りを披露するなど、師匠をしのんでいた。

 それぞれの演者がマクラで思い出を語りながら熱演し、会場を爆笑に。歌春は「亡くなった後の方が偉大さが分かりました。糸の切れたたこのようにちょっと落ち着かない感じですね」と話していた。

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