今回は“横やり”入らず!? 三遊亭好楽の7番弟子が「ぽん太」を襲名

スポーツ報知
二ツ目昇進した好也改め三遊亭ぽん太(左)と師匠の三遊亭好楽

 三遊亭好楽(72)の7番弟子の好也(33)が11月に二ツ目昇進を機に三遊亭ぽん太を襲名。7日に東京・お江戸両国亭の両国寄席で昇進披露口上を行った。

 初代・ぽん太は、落語中興の祖とも言える三遊亭円朝の門弟で、1831年生まれとされている。晩年身寄りがなく、円朝より年上だが、特にかわいがられたこともあり、谷中・全生庵の円朝の墓の隣にぽん太の墓が建てられていた。

 好也は「毎年夏に円朝寄席のお手伝いで(全生庵に)行っています。(お墓の)掃除をして、(円朝の墓の横に)『ぽん太』の墓があって、調べたら三遊亭で落語家の名跡だと知りました」と襲名のきっかけを語った。二ツ目昇進が決まり、ぽん太を名乗りたいと好楽に相談した。

 初代・ぽん太は身寄りがなく子孫がいないため、好楽は全生庵の住職に相談。好也を伴い、9月に墓参し、法要を行い、2代・ぽん太を名乗ることを決めた。

 好楽門下の“襲名”では、今年5月に3番弟子・好の助(36)が真打ち昇進するにあたり、自身がかつて名乗っていた林家九蔵を襲名させると発表したが、林家正蔵サイドから“横やり”が入ったため襲名を断念した経緯がある。

 初代・ぽん太は物欲、出世欲などがなかったが、大のそば好きで寄席に行く途中にそば屋に立ち寄り仕事を抜くこともあったエピソードなどが知られている。好楽は「ぽん太は噺家だったら誰でも知っている名前。久しぶりに面白い名前が誕生する。(好也の風貌も)ぽん太っぽいでしょう。誰も邪魔する人がいないと思うし、クレームもこないでしょう」とニヤリ。

 7日の両国寄席では好楽一門が勢ぞろいし、ぽん太の披露目を祝福。口上で、好の助が「私は明日にでも“横やり”を入れようと思う。『お前にぽん太はまだ早い』と…。おめでとう」と自身の経験をネタにしていじると、総領弟子の好太郎(57)は「芸道に精進して将来は立派なローソンの店長になれますように…」とエールを送った。

 好楽はぽん太について「落語が本当に大好きな人間。『あの方に落語を教わりたいのですが』と積極的に言ってきて、稽古を付けてもらっている、一門で1、2を争う熱心な弟子です」と評価している。

 ぽん太は「色々とやりたいことがあります。円朝ものをどんどんやっていきたいです。三遊亭一門で円朝ものをやる人がそんなに多くないので…」と決意を語っていた。

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