桑田佳祐、ひとり紅白「完結」さくらももこさん、憧れの西城秀樹さんに歌声届けた

スポーツ報知
「第三回ひとり紅白歌合戦」の最終公演で三波春夫さんの「世界の国からこんにちは」を熱唱する桑田佳祐

 サザンオールスターズの桑田佳祐(62)が2日、パシフィコ横浜でコンサート「平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦」の最終公演(全3公演)を行った。

 昭和、平成の名曲の数々に新たな息吹が吹き込まれた。本編フィナーレ、総立ちの5000人と「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」を踊った。95年のサザンの公演に出演したこともある桑田が憧れる歌手・西城秀樹さん(享年63)。在りし日の映像を背に、追悼の歌声をささげた。

 「YOUNG MAN―」のメロディーに合わせて大型ビジョンに映し出されたのは、「M.O.M.O.K.O」の文字だった。11月のお別れの会でも披露したフジ系アニメ「ちびまる子ちゃん」(日曜・後6時)のエンディング曲「100万年の幸せ!」を、アニメ映像に乗せ、原作者のさくらももこさん(享年53)に再び届けた。

 エイズ啓発活動「Act Against AIDS」の一環で、5年ぶりに開かれた「ひとり紅白」。岡晴夫の「憧れのハワイ航路」(1948年)からカミラ・カベロの「Havana」(2017年)まで、100曲以上の中から桑田自ら選曲し、曲順も決めた。

 3時間半を超える“桑田劇場”。ほぼノンストップで55曲を歌い上げた。

 テーマごとに構成され、「フォーク&ミュージック対決」では、9月の北海道胆振東部地震の被災者に向けて「大きな地震があった北海道。皆さんへ歌でエールを」というナレーションが流れ、松山千春の「大空と大地の中で」、加藤登紀子の「知床旅情」を歌った。美空ひばりさんの「愛燦燦」では、高さ6メートル、幅18メートルの巨大衣装で魅了。ラストは3回連続で和田アキ“男”。「古い日記」で締めた。

 来年4月に平成が終わるのに合わせて、桑田は「ひとり紅白は今日で完結でございます」と宣言した。その一方で「新しい扉を開いて、また皆さんに会える機会があると思う」。形式を変えて、再び戻ってくることを約束した。

 本編終了後、桑田の歌い手としての新たな決意表明がナレーションで流れた。

 「流行歌。ヒット曲。

 大衆はいつの世も、それを求めている…と私は思っていた。しかし、近年は何かが違う。歌は世につれ世は歌につれ、と言うが、世はあまり歌につれなくなったのだ。

 本来『大衆』とは『欲望』をあらわにし、『非常識』というものをエサにたくましく生き永らえようとする生き物であり、怪物である。

 流行歌とは、ヒット曲とは、それを証明する魂の雄たけびであり、非常識や夢物語を声に出すための道具であった。

 弱さ、醜さ、ずるさ…、それら人間の業を肯定するものが流行歌なのだとしたら、私たち大衆音楽作家は、ここ数年いったい何をやって来たのだろう?

 Act Against AIDSのテーマも、その根幹には『人間の弱さをどう乗り越えていくか』という課題があったように思う。

 AAAの活動自体は2020年に終焉を迎えるが、世の中にはその他にもさまざまな問題が山積みとなっている。

 流行歌。ヒット曲。

 大衆と程良くがっぷり四つに組み、新たな音楽を作り続けていくことを、私は辞めないだろう。

 平成30年という1つの時代の節目に、私はそう思いを新たにするのだ」

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