宇多田ヒカル、20周年記念日 12年ぶり国内ツアー千秋楽で感涙

スポーツ報知
12年ぶりの国内ツアーを締めくくった宇多田ヒカル

 歌手の宇多田ヒカル(35)が9日、千葉・幕張メッセで12年ぶり国内ツアー(6か所12公演)を締めくくった。98年12月9日に「Automatic」でデビューし、ちょうど20年。1万4000人を前に「そんな日をこんな風に過ごせて。誕生日とか、ワーッと祝ってもらったり、会の主役になるのは苦手だけど、これは素直に喜んでおきます」と照れくさそうにした。

 3曲目の「traveling」の歌唱前には「みんな~待たせてゴメン!」と胸の前で両手を合わせた。4曲目の「COLORS」の後に一息つくと、記念日を祝うファンの拍手は、しばらく鳴りやまなかった。「冒頭からそんなに泣かせに来ないで。メイク、崩れるから」と涙ぐんだ。

 初アルバム「First Love」(99年)は出荷991万枚の日本記録。数々の金字塔を打ち立てた平成の歌姫として君臨しながら、10年8月に「『人間活動』に専念」と宣言して約6年間の活動休止。11月に開幕した今ツアー。復帰後の16年末にNHK紅白歌合戦に中継出演したことなどはあるが、ライブは休止直前の10年12月の横浜アリーナ公演以来だった。

 「不思議だね、20年。国によって違うけど、だいたい成人。不思議な節目。これまで来られたということで、ホッとしたらダメだけど、すごいなって思っていいよね」と自分を褒めた。「(休止中にライブができないなと思ったこともあったし、(20周年について)こんな風に思うと思ってなかったけど、幸せです。ありがとう」。休止中の13年には歌手の母・藤圭子が他界。「(ステージで)言おうか迷ったけど、こんなことないから。生んで育ててくれた母と父(照實氏)に『ありがとう』が言いたくて」と言葉を向けた。

 ステージではデビュー曲など20曲を響かせた。アンコールで「Automatic」を歌うと「これが出た日ってことか」と当時友人とCDショップに繰り出したことを懐かしんだ。「1位じゃなくて、すごい悔しかった。『だんご3兄弟』が強かった」と笑った。

 来年1月18日に新曲「Face My Fears」を発売する。「いつも、ライブの回数、ないじゃない? ツアーやってて、大事だなって思ったんです。こういう機会がないとみんなの顔を見ることができない」。メモリアルイヤーが終わっても、歩みは止めない。

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