「ドラゴンボール超 ブロリー」悟空のパワフルな声健在 野沢雅子流鼻うがいで 朝起きてすぐカメハメ波ー!!

スポーツ報知
「カ~メ~ハ~メ~波ー!」孫悟空の必殺技を笑顔で放つ野沢雅子(カメラ・森田 俊弥)

 声優・野沢雅子(年齢非公表)が公開中のアニメ映画「ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー」(長峯達也監督)で相変わらずのパワフルな声を披露している。主人公・孫悟空の声を担当して32年。声優界のレジェンドは衰え知らずの声の秘密を「野沢流鼻うがい」にあると明かし「朝、起きてすぐにカメハメ波を出せます!」と笑う。

 例えるなら、デビュー20年の投手が投げる155キロの速球とでも言おうか。本作の全編を彩っている野沢の声である。

 「今回は今までで一番すごい映画です! 戦いのところがも~スゴイんです! 大好きなピッコロさんが出ているのもうれしいんですね」

 公開週の週末で興行収入10億円を突破し、シリーズ最多の50億突破も視野に入る最新作。クライマックスは「ドラゴンボール」の歴史でも類を見ないほど長く激しいバトルシーン。最もエネルギーを要する演技となったが、レジェンドのパフォーマンスは衰えるどころか、むしろパワーアップしていた。

 「え? そうですか? 自然と悟空に入っただけですよ。いつも悟空には素直に入ろうとしているだけなんです」

 声優であれ、歌手であれ、俳優であれ、年齢とともに変化するのが「声」の宿命。キャリア50年、悟空の声を担当して32年が経過したのに、野沢は独特の声の魅力を維持し続けている。声優は声を守るための努力なら何でもする、というのが業界の常識だが…。

 「いや、なーんにもやってません。自然体が一番いいんです。過保護にするから余計にいけないんです。食べたいものを食べて、寝るのは深夜3時ぐらい。でも朝7時には起きて、すぐ『カ~メ~ハ~メ~、波ー!』って出せますよ。声優仲間のみんなは『えーっ!』て言いますけど」

 しかし、しつこく聞いてみると、ちゃんと秘密はあった。「野沢流鼻うがい」である。

 「私、ホントにお風呂が大好きで、風邪を引いてもなんでも365日入るんです。まず、シャワーを口にバーッと当てて口の中を洗った後にね、手のひらにぬるま湯をためて、鼻でズズーっと吸い込むんです。で、フンって出す。まあ、ホコリを落とすためで特別なことはないですよ。水はダメですよ! 痛くなるから。ぬるま湯でやってください。塩水でする人もいるようですけど…」

 3歳で子役デビュー。劇団東芸に入団し、舞台女優としてキャリアをスタートさせた。縁あって、10代で声優業を始めた。

 「私はお客さんの反応がすぐに返って来る舞台が大好きで、美女の役をやりたいなと思った時代もありましたけど…。声のお仕事をしたのは劇団の収入源のためです。声優という言葉もなかった。今、憧れの職業になっていることがビックリなんです」

 1986年に「ドラゴンボール」アニメ化に際し、オーディションで悟空の声を射止めた。

 「原作の鳥山明さんに選んでいただいたんです。『野沢さんの声が悟空の声だ』って。『でも野沢さんってギャラ高いんですよね?』って言われて『イヤイヤイヤイヤ!』と…。うれしかったなあ」

 悟空と出会って32年。今もなお憧れ、尊敬するキャラクターだ。

 「純真で純粋な悟空みたいな人ばかりだったら、平和で素晴らしい世の中になりますよね。私も悟空みたいになりたい。でも、なれないんですよ」

 もし、7個のドラゴンボールを集めて願い事が一つかなえられるなら、何を願うだろうかと聞いた。

 「うーん、と…。やっぱり平和ですね。世界平和。悟空のような人ばかりがいる世界になったらいいですね」

 普通の人なら奇麗事。ところが、野沢の声は純真で純粋なメッセージを発していた。32年間の歳月を共に歩み、いつの間にか悟空と同化しているのかもしれない。(北野 新太)

 ◆「ドラゴンボール超 ブロリー」
 修業に明け暮れる孫悟空とベジータの前に現れたのは、過去最強とされてきた伝説のサイヤ人ブロリー。復活したフリーザとともに、3人のサイヤ人が壮絶な死闘を展開する―。ピッコロやブルマら懐かしのキャラクターも登場。主題歌は三浦大知「Blizzard」。全世界90の国と地域での公開が決まっている。100分。

 ◆野沢 雅子(のざわ・まさこ)10月25日、東京都生まれ。3歳から子役で映画に出演。中学時に劇団東芸に入団。10代から声優を始め、1968年の「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎役で初のシリーズ主演。主な担当作(キャラクター)に「いなかっぺ大将」(風大左エ門)、「ど根性ガエル」(ひろし)、「銀河鉄道999」(鉄郎)、「あらいぐまラスカル」(ラスカル)。「ドラゴンボール」では孫悟空だけでなく子供の孫悟飯と孫悟天の声も務めている。

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